◆口に入れてみると……
「ヨーグルト売場の隣に並べていただいたら、ヨーグルトとセット買いされる方も多くて、相乗効果が生まれました」と弾む口調で語り始めたのはロッテ・マーケティング統括部の中村準氏(32)。2015年10月に発売した「スイーツデイズ 乳酸菌ショコラ」は、発売から一年でシリーズ累計出荷2500万個を超え、瞬く間にヒット商品の座に駆け上った。
いったいどんな味がするのだろう。乳酸菌ショコラというのだから、酸っぱい味?
何はともあれ口に入れてみると……ん?
舌の上でとろける感触、甘さとほろ苦さのハーモニー。美味しい。けれど変わった味ではない……。
「そうなんです、皆さんチョコとして普通に美味しい、と褒めてくださいます」と中村さんは苦笑い。「まずはカカオの美味しさを味わっていただきたいと考えました」と言い、「さらに三つの新しい特徴があります」と続けた。
「一つ目は、チョコに乳酸菌が入っているという点です。弊社としても乳酸菌入りの商品について本格的に取り組むのは初めてのことでした」
乳酸菌は生きた状態で摂取することが重要であると考えているというロッテ。
「チョコレート中の油脂成分で乳酸菌を包み込むことで、生きたまま乳酸菌を摂取することができるようになりました」
つまり、チョコで覆われて胃酸にさらされにくいため生きた菌が腸に届く、というメカニズムらしい。「チョコゆえの強み」は、さらに別の特徴にもつながっていく。
「二つ目の特徴は、いつでもどこでも手軽に乳酸菌が摂れる、携帯性です。ヨーグルトは要冷蔵食品なので一日の中でも食べるシーンは限られますよね。でも、箱タイプの商品のように個別包装チョコの中に乳酸菌が入っていれば、仕事の合間など好きな時に摂取できます」
そして三つ目は、常温で長期保存ができること。
「チョコで包んでいるので、1年間は保存できます」(「乳酸菌 ショコラアーモンドチョコレート」は9か月)
なるほど、ありそうでなかった「チョコと乳酸菌のコラボ」が、三つの新しい価値を生み出したのだ。