◆せっかちな人は心筋梗塞になりやすい
海外では命にかかわる病気と「性格」の関係を探る研究も続々と進んでいる。アメリカの心臓外科医、メイヤー・フリードマン氏は1959年、追跡調査によって、心臓疾患患者に共通する性格を「せっかちで競争心が強い」とした。
これはカリフォルニア州で働く39~59歳の男性3154人を対象に、8年半の間に心臓疾患の発症率がどれくらいだったかを調べた結果によるものだ。「せっかちで競争心が強い」タイプはそうでないタイプに比べ、心筋梗塞の発症率で2.12倍、狭心症では2.45倍も高かった。
この研究では、時間に対する強迫観念がストレスとなり、疾患につながっているとの仮説が示されている。
◆人の悪口をよくいう人は心臓病、肺がんになりやすい
さらに、フリードマン氏の研究では「人の悪口をよくいう」人も心臓病のリスクが高まるとしている。ここでも、人の悪口をよくいう人には競争に勝とうという気持ちが強いタイプが多く、そのことから前述の「せっかちで競争心が強い」人が心筋梗塞になりやすいことと同じロジックが当てはめられると解釈されている。
また、後の調査でそういうタイプの人は死亡率やそれ以外の病気のリスクも高まるという結果が出ている。精神科医で岡田クリニック院長の岡田尊司氏はこう話す。
「後のフランスの13年にわたる追跡調査では、『神経過敏で攻撃的になりやすい性格』は死亡率が高まる要因となっていたし、別の研究では言葉の暴力が激しい人は早く肺がんになりやすいとの結果が出ています」
※週刊ポスト2017年1月13・20日号