なぜ、そこから2時間もボーッとしてしまうのか? いえ、着替えてうがいをするところまではやるんですよ。問題はここから。
脱いだ服をなぜかベッドの上に広げて置く。楽な服に着替え、お風呂のお湯をためながらリビングでしばしボーッとする。ボーッとしながら犬とたわむれたり。いや、心底ボーッとしたいときは、心から愛してやまない犬にでさえ「ちょっと待ってね」と言って、ボーッとする(愛犬も首を傾げてる)。
もっとひどいときは、犬にばれないようにそーっと帰ったりする。
(もはや愛犬にとってはドロボー状態だ。…だって、犬が私に向けてくれる愛情を受け止めるには、こちらにもそれだけの気力と体力がいるのですよ)
ようやくボーッとが終わり、お風呂に入り、「さて、明日に備えて寝るか」と寝室に行くと…。
ベッドの上にはさきほど脱いだ洋服が広がっているわけですよ。ご丁寧に私の形をして。まるで10カウントいれられノックアウトしてるプロレスラーが天井を仰ぐように。
やろうよ、私。
ボーッとしていたあの時間に、ハンガーに掛けようよ。
というか、脱いだ流れでハンガーに掛けておけば、すぐに寝られたでしょ…私は今、私の取扱説明書“トリセツ”がほしい。もっというならこんな癖があるよこの人!?といった“ヘキセツ”がほしい。
2017年、真矢ミキの抱負。――帰宅したら、犬に「ちょっと待って」と言わず、脱いだ洋服をベッドに広げないでハンガーに掛ける。
……いいのか……、こんなことで……。
……多分いいんだ……まずは、ここからで……。
撮影■渡辺達生
※女性セブン2017年1月19日号