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相澤英之さん、84歳で弁護士登録した理由を語る

 役所の仕事には法令に基づく限度があります。私は様々な法令の問題点を是正したくて政治家になり、実際に30件の議員立法を実現しました。

 政治の師匠は大蔵省の直系の先輩だった福田赳夫さんです。ある時、大蔵省の事務次官を誰にするか相談された。「角はなんていってる?」というので角栄さんに聞くと「福田はなんていってる?」と。

 らちが明かないので、つい「主計局長をやって事務次官になっていない人はいない」と助言して、直後にはっとした。実は福田さんは主計局長経験者だけど事務次官にならなかった人。大失言だよ。そっと顔を見ると憮然としていてさ。なんとか取り繕ったね(苦笑)。

 70歳ぐらいで胃がんが見つかり、経済企画庁長官になった後に胃を全摘しました。その2~3か月後に解散総選挙があり、点滴を打ちながら選挙活動して15キロ痩せました。官僚の時から、1日にタバコ100本以上、酒も1日1升だったのをやめて、おかげで健康になりました。今も目は両方0.8で耳もよく聞こえるし、年に100冊くらい本を読みます。

 とはいえ、90代まで長生きするとは思いませんでした。“お前はまだ仕事をしろ”ということでしょうね。政治家を辞めてから84歳で弁護士登録したのも、せっかくの資格なので世の中に奉公したかったからです。

 私の好きな言葉は「一日生涯」。1日1日がこれきりの生涯であり、同じ日は決して繰り返さないという意味です。この言葉を胸に刻んで、過去を悔やまず、どんな歳になっても、実現したいことを持って全力で前を向いて生きていきたい。

 まだまだやりたいことばかりです。麻生派の顧問として、例会にも顔を出しているし、弁護士としては困っている人のために仕事をしたい。いいたいことも多いから、この歳になっても、ブログやフェイスブックで発信していますよ。

●あいざわ・ひでゆき/大分県宇佐市生まれ。東京帝国大学卒業。1973年に大蔵事務次官就任、衆院議員に当選9回、1990年に経済企画庁長官に就任。2005年に弁護士登録。勲位は勲一等旭日大綬章(2002年)。

※週刊ポスト2017年1月13・20日号

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