現在、19名いる皇族のうち未成年の愛子さまと悠仁さまをのぞく17名が成年皇族だ。このうち未婚女性が7名おり、現在の制度では一般人と結婚すると皇室を出ることになっているため、今後皇族の人数が次々と減ることになる。皇室ジャーナリストの久能靖さんは、ここに陛下の「真意」を読みとる。
「陛下がお言葉で、『安定的な皇室の在り方』とおっしゃったのは、今後間違いなく皇族が減っていくことを念頭においての発言でしょう。悠仁さまひとりで皇室が成り立つのではありません。悠仁さまにお子さんが生まれない、または女の子しか生まれない場合、誰が天皇を継ぐのか大きな問題になるため、その前に女性宮家の創設を含めて、天皇を補佐するシステムを準備しておくべきです。
しかも眞子さま、佳子さま、愛子さまという3人の内親王のうち、年長の眞子さまは現在25才です。このまま皇室典範改正の議論が先のばしにされ、眞子さまが結婚して皇籍を離脱した後に宮家創設が決まれば、眞子さまは民間人だけど、佳子さまはご結婚後も皇族というおかしな事態になりかねません。私は数年以内に今の時代に合わせた皇室典範に作り替えるべきだと考えます」(久能さん)
残された問題はそれだけではない。
「譲位は光格天皇以来、200年ぶりのため、各方面で準備が足りません。皇室経済法では天皇と皇太子ご一家は内廷費、他の宮家は皇族費で賄っていますが、譲位後に秋篠宮家を現状通り筆頭宮家とするのか、内廷皇族にするのか、これも法改正が必要です。こうした問題も特例法では対応できません」(久能さん)
陛下の提起した問いかけの射程は遠くまで及ぶ。その場しのぎの対応では陛下が最も避けたいと望まれている問題の先送りにしかならないのだ。
撮影/雑誌協会代表取材
※女性セブン2017年1月19日号