増田:そうやって現場で声援をくれる人が増えるのは本当に嬉しいことですよ。
西本:それでネット中継とかをするうちに、オタクが集まってきて「EKIDEN NEWS」になっていったんです。最初は観客が数人だった八王子LDも、動画を毎年配信していたら、去年はトラック周りに人が途切れないほどファンが集まるようになりました。
増田:すごい! 選手が記録を作るためには、応援が本当に大事なんです。私が5000mの日本記録(15分38秒)を作ったのはノルウェーのビスレットゲームズ(※)という大会で、そこは会場の一体感が凄かった。
【※毎年6月にオスロで行なわれる国際陸上競技連盟(IAAF)主催の世界最高峰の陸上レースの1つ】
お客さんが看板をリズミカルに叩いたりして、選手の走りのテンポが上がるようにサポートしてくれるんです。最近、八王子LDでは村山紘太さん(旭化成)が1万mの日本記録を塗り替えましたけど、応援が増えた影響は大きいんでしょうね。
●ますだ・あけみ/1964年千葉県生まれ。スポーツジャーナリスト。私立成田高校在学中、長距離種目で次々に日本記録を樹立し、1984年ロサンゼルス五輪に女子マラソン代表で出場。1992年に現役引退し、解説者として数々のレースに携わる。
●にしもと・たけし/1971年福岡県生まれ。「駅伝ニュース」主宰者。本業はコンテンツプロデューサー。ツイッターアカウント名は「公園橋博士」、相棒のマニアさん(アカウント名「@EKIDEN_MANIA」)とともに全国の長距離レースを観戦。
※週刊ポスト2017年2月3日号