アナウンススクールでまず徹底的に叩き込まれるのは発声と滑舌である。傍から見たら不自然ではないかというぐらいに口を上下左右に大きく動かしながら原稿を読む指導をされるのだ。
だからだろう。福田さんは本当に口をよく動かしながら話す。ここまで動かす喋り手というのは、日本テレビの“教育係”豊田順子アナぐらいしか思い浮かばない。
『グッド!モーニング』は超早朝番組なので、2時30分にスタジオ入りしなければならないそうで、順調に単位をとっていれば、それほどハードではないであろう学生生活とは180度異なるタイムスケジュールになったことと思う。
テレビ出演が初めてであるうえ、早朝というよりは深夜から新聞に目を通したり、段取りや“お約束”のコメントを憶えたりと、やらなければならない“初体験”がいっぱいの福田さんは、とにかく初々しすぎるのである。
田中萌アナにもそういう面が多分にあったが、“素人”の福田さんは、それ以上。共演のアナウンサーやコメンテーターからのなにげない質問にテンパる場面がよく見られる。
そんな福田さんが、1月27日、初めて同番組エンディングの高視聴率コーナー「池上彰のニュース大辞典」の“生徒”役になった。
これまで、子供のようなルックスの田中萌アナ=生徒に池上“先生”が、かつて出演していた『週刊こどもニュース』(NHK)のように、やさしく丁寧に説くことで好評だった同コーナー。
なので田中萌アナが居なくなり、童顔だが大人の松尾由美子アナが担当していたときは、「ちょっとコーナーが違っちゃったかも」という感想をもった視聴者も多かったと思う。
で、「そろそろ、どうか」ということで福田さんが“生徒役”でやってきたのだが、美人すぎるあまりに、それほど表情豊かとはいえない彼女と池上先生の相性は、初回を見た限り、「いい」ようには見えなかった。
印象的だった場面は、故・吉田茂の写真を見せ、池上さんが福田さんに「誰だかわかりますよね?」と訊ねたときのこと。彼女は「わかりません」でも「知りません」でもなく、「思い出せません」と言ったのである。彼女の気の強さを垣間見たと同時に、「萌ちゃん、カムバ〜ック!」と思ったのは私だけではないだろう。
さらに、番組エンディング、『羽鳥慎一モーニングショー』とのクロストークで、羽鳥から『〜ニュース大辞典』の感想を求められた福田さんは、「恥ずかしかったです」と一言。
羽鳥のみならず、出演者全員が「え?」という顔になってしまっていた。「池上さんのスピードの速さに付いていけなかった」との感想を漏らした福田さん。これほどまでに不慣れな彼女に田中萌アナがやっていたことを全て任せるのはまだ無理なのではないだろうか。
社を挙げて売り出そうというなら別だけど…。