芸能

木村拓哉の『A LIFE』 最大の失点ポイントは配役か

視聴率でも巻き返せるか

 このクール、最注目のドラマの一つだが、滑り出しは順調とはいい難いようだ。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。

 * * *
 鳴り物入りでスタートした『A LIFE~愛しき人~』(TBS系日曜午後9時)も、第3話の平均視聴率は関東地区で13.9%。じりじりと数字が減少しています。思うように伸びていないのはなぜでしょう?

 SMAP解散騒動後の木村拓哉主演ドラマとなれば、あまりにも注目されすぎて制作陣もやりにくかったはず。相手役のヒロインがなかなか決まらない、といった噂が駆け巡るほど、滑り出しは心配され、その分、注目もされました。

 蓋を開ければ……キムタクはいつもの二枚目。正義感、人間味に満ち溢れ、かつ型にはまらないラフさも持ち合わせたイケメン男。その上に天才的な技を持つ外科医。と、型どおりの「スーパーヒーロー」像。百歩譲って大人の解釈をすると、キムタクのイメージとして作られてきた超二枚目路線はどうしたってはずすわけにはいかない。

 だとすれば。その他の要素をいかに工夫し、どのように作れば良かったのでしょう?

 制作陣は、キムタクの周囲に主役級の人気男優をズラリと配置すればきっとうまくいく、と考えたのかもしれません。しかし、その部分がまさにほころびかけているようにしか見えないから、辛いのです。

 キムタク演じる沖田医師の重要な対立軸として配置されたのが、壇上記念病院副院長であり、沖田の元恋人・深冬の夫である壮大です。演じているのは、浅野忠信。これが目も当てられない惨状。浅野さんって、こんなに演技が下手だったでしょうか?

 ご存じ、独特の雰囲気を持つ役者。「自分の映画に出てもらいたい」と国内外の監督からオファーがひきもきらない人気俳優。凄味も不気味も深味も持ちあわせている個性派です。ただし、「黙って」いれば。

 浅野さんがここまで滑舌が悪かったとは。身振り手振りが説明的だったとは。画面を観ながら、あちこちツッコミたくなる。今回のような新劇的セリフ芝居をこれでもか、これでもかとやらせてはいけなかった。

 慌てて付け加えるとすれば、役者のせいではない。このドラマ、配役に問題がありそうです。

 例えば沖田医師の同僚、心臓血管外科医・井川颯太を演じる松山ケンイチも、やたら論文にこだわる上昇志向の強いエリート医師に、残念ながら見えてこない。貫禄がなくて何だか軽くて、そこらのキャンパスにいそうな大学院生といった存在感。

 あるいは、ヒロイン。沖田の元恋人・壇上深冬を演じる竹内結子も頑張っているのはわかるけれど、難しい手術をこなす敏腕女医にはとうてい見えない。せいぜい幼稚園の先生か保育士といった、ほのぼのした風合いです。

 そして壇上記念病院の顧問弁護士で副院長の愛人でもある榊原実梨。演じる菜々緒に至っては、無理がありすぎ。キャバクラか、マウンティング悪女にしか見えない。

 役者自身のせいというよりも、ふられた役割に合ってない。

関連記事

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン