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2017.02.08 07:00  介護 ポストセブン

【介護のお金】親が認知症になる前にしておきたい!「家族間信託」6つのポイント

写真/アフロ

 意外と知られていないのが「親が認知症になったら、子であっても親の財産に手がつけられなくなる」という事実。そうなる前にやっておきたい財産管理方法が「家族間信託」だ。手遅れになる前に、どんなものか、そして手続き方法を知っておこう。

 家族間信託とは、委託者(親)が信託契約によって、信頼できる受託者(子供や家族)に自分の財産の管理・処分を託すことをいい、受託者は親から受けた財産(信託財産)の管理・処分などができる。信託は贈与ではないので、受託者はあくまで管理・処分を任されているだけ。そのため、家賃収入や実家の売却益など信託財産にかかわる所得は、受益者である親のものになる。もし、受託者だけに任せるのが不安な場合は、信託監督人という第三者をおき、受託者の監督をお願いすることもできる。

◆家族間信託のポイント6

【ポイント1】信託の効力発行時期を自由に決められる

 親が名義変更に難色を示す場合、信託契約書に“信託の効力発生時”を明記しておけばいい。

「効力発生時期を、例えば、1年後の日付とし、契約だけ先に結んでおきます。親が元気であれば契約を再度変更し、発動をもう1年遅らせられます。このように、定期的に効力発生時期を更新することで、いざ認知症になった時の備えに有効です」(司法書士の宮田浩志さん)

【ポイント2】名義変更しても贈与税がかからない

 信託契約を結び、親の財産を“信託財産”にしておくと、受託者(子供)の名義に変えても、贈与税がかからない。

「なぜなら、預金であれ、不動産であれ、受託者(子供)は管理を任されているだけであって、その使い道や利益は、あくまでも親である委託者のものだからです。もちろん、親の死亡などにより、相続が発生した場合は、相続税の対象になります」(税理士の宮田房枝さん)

【ポイント3】親の浪費を監視できる

「認知症以外でも、親の浪費を監視するために信託契約を結ぶこともできます。例えば詐欺などの被害に遭う前に、預貯金だけ子供が管理し、そこから定期的に親の口座に生活費を振り込む、という使い方をする人が多いようです」(宮田浩志さん)

 信託監督人をつければ、残高を報告させるなど、受託者(子供)が勝手にお金を使わないようにすることもできる。

【次ページではポイント4~6を解説!】

【ポイント4】ローンがあっても家族で処理できる

 ローンがある場合、認知症では団体信用生命保険が適用されない。さらにローンが払えなくなると、不動産は差し押さえられ、競売にかけられることになる。しかし、信託契約を結んでおけば、たとえローンはそのままでも、自分たちの手で売却したり、賃貸にすることなどができ、競売で安く買い叩かれるのを防げるという。

【ポイント5】実家が共有名義でも受託者が処理できる

 不動産を相続する際、遺産分割協議がうまくまとまらないと、とりあえず、相続人全員の共有名義で相続することになる。そうなると、いざ不動産を売る時などに、名義人全員の同意が必要になり、手間がかかるうえ、もめごとの原因にも。

「信託契約をしておけば、受託者が代表で不動産売却などを処理でき、手間や時間、余計な争いなどが防げます」(宮田浩志さん)

【ポイント6】信託銀行よりも費用がかからない

「財産を託すなら、信託銀行もありますが、お金しか預かってもらえず、不動産は対象外なんです。さらに、手数料が財産の約1%も取られます。成年後見制度も、月1万~2万円の費用がかかります。しかし、家族間信託なら、費用がかかったとしても、契約時の司法書士代金や公正証書の手数料くらいで、コストはだいぶ抑えられます」(宮田浩志さん)

※女性セブン2017年2月9日号

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