「殺すわけがないだろう! 殺すわけがない!!」
一旦休廷となり、被害者意見陳述は時間を改めることに。だが開廷後、冨田さんは精神的ショックのあまり証言をすることができず帰宅した。彼女は現在、事件の後遺症で口に麻痺が残り、食事や会話にも支障が出ているという。
騒動は20日の初公判でも起きていた。
「被告人が結婚してくださいと言ってきた」
検察官により冨田さんの調書が読み上げられている最中、「フフフッ」と笑う被告。
「以降、被告は終始ニヤニヤしていました。ブツブツと独り言も多く、あまりの気味の悪さに裁判員も顔をしかめていました」(傍聴人)
検察官が現場に駆けつけた救急救命センター医師の証言を読み上げると、裁判員の表情も一様に険しいものに。
搬送時、冨田さんの意識はなく、内頸静脈に穴が空いていた。右頸部から血が噴出し、胸部に刺傷、前腕に切創、血圧低下で手首に脈はなし…。
生々しい惨状が次々に明かされる中、法廷に「バーン!」という鈍い音が響きわたった。
「裁判員の1人が“うぅ”とうめきながら机の上に倒れたんです。あまりに悲惨な状況を聞き、ショックを受けたようです。そのまま救急車で運ばれ、休廷となりました」(前出・傍聴人)
2月28日、地裁が下した判決は、懲役14年6か月だった。
※女性セブン2017年3月16日号