「豪快なフルスイングで通算404本塁打を放った中村は2つの顔を持つ。近鉄時代にFA宣言した際は、8年43億円の年俸の他、ゴルフ会員権、家族にボディガードを要求。好成績を収めていた時は“黒ノリ”となるが、クビになった後に他球団に拾われると、丸坊主にし反省の意を見せて“白ノリ”に変身する。今回は“黒ノリ”を前面に出して国際舞台で暴れてほしい。
まだ引退宣言していませんし、加えて“落ち武者ジャパン”には珍しいメジャー経験者。ただし17試合だけですが……(苦笑)」(球界OB)
今回、大谷翔平(日ハム)らの不参加が決まり、投手陣に不安が残る。菅野智之(巨人)や藤浪晋太郎(阪神)といった優等生タイプの投手では、強敵の米国、ドミニカのコワモテ選手相手に攻めの投球ができるか。菅野のコントロールがいいといっても、彼らは外角低目を力ずくでスタンドまで持っていく。するとスポーツ紙記者からはちょっと意外な現役選手が推薦された。
「久保康友(DeNA)です。久保は通算与死球数が89と現役投手の中では最も多い。死球を恐れずインコースをガンガン突いて打者を翻弄できる。中継ぎには高木京介(元・巨人)でどうでしょう。野球賭博関与で2016年シーズン開幕前に契約解除されましたが、プロ入り後117試合負け無しのプロ野球記録保持者。その勝ち運は負けたら終わりの国際大会でこそ発揮してもらいたい。ちなみに3月8日をもってNPBの失格処分が解けているんです」(スポーツ紙デスク)
抑えは昨年メディアを騒がせた野村貴仁(元・オリックス、巨人ほか)で決まりだろう。
現役時代、左腕から繰り出す150キロくの速球は監督だった長嶋茂雄に絶賛された。昨年は一時期、ボサボサの髪型と伸ばしっぱなしの髭でテレビに出ており、その風貌はまさに“落ち武者”。現在は格闘家を目指してトレーニング中というから、乱闘になっても屈強な外国人選手相手に立ち向かってくれるだろう。
猛者揃いの投手陣をリードする捕手は前出の小田に加えてデーブ大久保(元・巨人ほか)。西武のコーチ時代、選手に対する“熱すぎる指導”が問題になって解任されたほどの熱血漢だ。野球通で知られる漫画家のやくみつる氏が言う。
「ホームベース上のクロスプレーでは小林(誠司・巨人)のようなスマートな捕手ではひとたまりもないが、デーブなら張り合える」
※週刊ポスト2017年3月24・31日号