“100%学生の手作り”が自慢の、東京農業大学の“収穫祭”には例年12万人が訪れる。
「収獲祭以外でも本学の教育や研究を楽しく理解していただく目的で、23年前にオープンカレッジを始めました」と言うのは、エクステンションセンターの鈴木加奈子さん。同大学では、農業、食品加工、園芸、健康など大学の研究に沿って、年間約120もの講座を行っており、キャンパスだけでなく、地方の酒蔵や農場も会場になるのが特徴だ。
「教員のほか、酒蔵を継いでいたり、食品メーカーに勤めていたりと、全国で活躍する卒業生を講師として招くこともあり、モノづくりの現場に触れられるのも魅力です。また地方講座は、現地集合・解散のものが多く、観光に合わせて参加するかたも多いですね」(鈴木さん、以下「」内同)
健康志向が強い昨今は、発酵食品などの健康食を学ぶ講座も増え、メダカの観察など子供向け講座にも力を入れていることから、受講生の年齢層も幅広い。
「6割ほどがリピーターです。4月開始の講座は申し込みが始まり、人気講座はすぐ満員に」
5月開始の講座は4月に申し込みを開始するなど、受講しやすくなっている。そこで、東京農業大学が開講している注目の講座を紹介しよう。
◆キノコ入門・街のキノコ
緑豊かな新宿御苑を散策しながらきのこを探し、当日見つけたものを観察・記録しながら解説を聞く、初心者向けの講座。約40種類のきのこが観察できる。「きのこは身近に見かけるけれどあまり知らなかったと、毎回好評です」。
◆みそ・しょうゆ・酢・あま酒・麦汁・納豆・テンペをサクサクつくる
みその作り方を教わるだけでなく、微生物の作用など仕組みもわかるので、幅広く学びながら実生活に役立てたい人におすすめ。1日につき7コマの座学が中心で、みそ以外は自宅で仕込む。「大学に醸造を学べる学科があるので、この講座以外にも、本みりんの調理効果を知る講座や、小学生向けのしょうゆ作りの講座などもあります」。
◆チーズ通になる