ビタミンDが減少すると筋肉の代謝が低下し、炎症抑制物質が減り、全身に慢性炎症が起こる。ビタミンDは太陽を浴びると体内で産生されるが、日本は緯度の関係で、特に冬から春にかけては日射量が減るため、身体に必要なビタミンDが足らなくなる。
「しびれをともなう神経痛が辛いと、ご紹介いただく患者さんの中には、神経痛がMPSに変化している症例もあります。しびれがあるというので、触診すると感覚の異常はなく、筋肉も正常に動きます。これは神経痛からMPSに変化した症例です。痛みは人により感じ方も違いますから、診察にあたっては痛みの程度や心身の状態を詳細に記入するアンケートと姿勢測定、問診などで総合的に判断することが必要です」(大友医師)
MPSの治療は、リハビリテーションが基本だ。筋肉の緊張を取ると痛みの発生源(トリガーポイント)がわかり、IMSをすることもある。IMSとは非常に細い針を必要に応じて筋肉の奥まで打ち、筋肉を急激に緩める治療だ。
男性ではMPSのような症状であっても男性ホルモン(テストステロン)が低下し、筋肉のこわばりや痛みを訴える男性更年期の場合もある。なにより放置しないで、検査することが大切だ。
●取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2017年4月21日号