ビジネス

社員寮増加 就活生に福利厚生の充実度をアピールする材料に

JFEエンジニアリングの東神奈川寮

 今春も約89万人が期待に胸を膨らませて新社会人となった。まだ手取り金額の少ない若手社員にとって大きな助けとなるのが「社員寮」である。

 高度経済成長にバブル、そしてリーマンショック……移り変わる日本経済とともに社員寮も変化を遂げてきた。

 社員寮の歴史は古く、明治時代までさかのぼることができる。当時は炭鉱員のための寄宿舎が主だった。約50年にわたって日本企業の福利厚生を調査研究してきた労務研究所の近江谷栄樹氏がいう。

「当時は4畳半~6畳に3~4人で暮らしていて『立って半畳、寝て一畳』といわれていた。共同井戸もあった」(近江谷氏、以下「」内同)

 しかし、その多くは戦争の空襲で焼失してしまい、ほとんど残っていない。

 終戦後、1950年代に入り、朝鮮戦争の特需景気が訪れると、重化学や造船、鉄鋼など、軍需産業にかかわる企業を中心に社員寮の建設が盛んになった。高度経済成長期に突入すると、1960年代から1980年代にかけて働き手の需要増で全盛期を迎える。

「地方から上京した集団就職者のために独身寮の数が急増しました。また結婚して子供ができた労働者のために家族で住める団地風社宅が現われた。当時は大企業の社宅に住むことはステータスでした」

関連キーワード

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン