15年前にこの事件を取材した地元記者が話す。
「我孫子でリンさんの遺体が見つかった事件を聞いて、この取手の事件が頭に浮かびました。取手で行方不明になったKさんはフィリピン国籍の女の子です。リンさんは千葉、Kさんは茨城なので捜査の管轄が違うのですが、Kさんの自宅や消息を絶った場所は、リンさんの遺体発見現場の排水路から利根川を挟んでほんの数キロの距離なんです」
小学3年生の9歳、東南アジア国籍の女の子──。
リンさんと共通点の多い女児が、県境のすぐ近くで行方不明になっていたのだ。地元記者が続ける。
「市会議員や市職員、私たち記者も加わって、Kさんの普段の行動範囲とされる利根川河川敷などを1000人規模で捜索したのでよく覚えています。自宅近くの公園で目撃されたのを最後に足取りがわからず、目撃情報もごくわずか。消息が途絶えた日のKさんが“身長120センチでおかっぱ頭。白いTシャツに水色の短パン、赤のズック靴姿だった”という情報くらいしかなく、不審な車や男の情報も皆無で、捜査は難航しました。謎に包まれたまま、迷宮入りしています」