一般的な合鍵作製の申請書類はA4用紙1~2枚。自分の住所、電話番号、鍵のメーカーと型タイプ、鍵番号、希望する合鍵本数を記入して送るだけ。1~2週間ほどで完成し、郵送される。業者によっては申請から作製、受け渡しまで、一度も依頼人と対面せずに終わることもある。
匿名の第三者でも合鍵を作成できるとなれば、これを利用した犯罪が多発するのは必然である。ベランダの窓を打ち破ったり無施錠の家を狙う必要もなく、犯人は複製した鍵で玄関から堂々と侵入できるのだから。
警察庁の統計によれば、2016年の侵入窃盗犯罪の認知件数はおよそ8万6000件。1日平均126件の空き巣が発生していることになる。
ちなみに盗聴器、盗撮カメラは年間50万個販売されており、犯罪目的の購入者が絶えないといわれる。
昨年12月、東京都狛江市で自宅アパートに帰宅した30代女性が、脱衣所のホースに仕込まれたカメラを発見し、通報。警察がカメラを調べると、女性宅に忍び込んでカメラを設置したと思われるめがね姿の男性が映っていた。被害女性はこの男性と面識がなく、警察は合鍵を使った侵入事件とみて捜査を進めていた。
結局、警察が男性の映像を公開したことが決め手となり、同市在住の28才無職男が住居侵入容疑で逮捕。被害女性がカメラに気づかなければ、より悪質な犯罪に巻き込まれていた可能性もあった。
※女性セブン2017年5月4日号