質疑応答に移り、「ミサイルが領海に落ちた場合、直ちに武力攻撃事態に認定できないのか」と問われると、稲田氏はこう答えた。

「検討を行っているという事実はございません」

 これが日本の安全保障の現実なのだ。女性問題による、中川俊直・経産政務官の辞任。「学芸員はがん」発言による、山本幸三・地方創生相の陳謝。そして対する野党は、“昭恵氏問題”やこれらのスキャンダル・失言で政権を追い詰めようと血道を上げる。

 マスコミも同様だ。山本有二・農水大臣の会見(4月11日)では、最後に記者からこんな質問が出た。

「浅田真央さんが引退を表明されましたが、これについての受け止めをお願いします」

 山本氏はこう答えた。

「大変残念で仕方がありません」「非常にスター性のある、輝けるアスリートであると思っておりましたし……(以下略)」

 こんなに危機感がないことが、「大変残念で仕方がありません」。

※SAPIO2017年6月号

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