二階派は「(震災が)東北でよかった」発言で辞任した今村雅弘・前復興相をはじめ、西川公也・元農水相、政界不倫カップルで騒がれた中川郁子・代議士と門博文・代議士などスキャンダル議員を多く抱えている。同派の若手議員が最近、他派の先輩議員に「こんな派閥にいてもいいのかと心配になる。派閥を抜けたい」と相談した。すると先輩議員はこう忠告したという。
「選挙になれば、二階さんが各業界に声を掛けてお前1人では絶対に取れない票を上乗せしてくれる。そのときに有り難みがわかる」
ただし、それだけの力があるのは田中派育ちの二階氏だけで、派閥には人材養成システムはない。
◆日本列島改造論の原点
その二階氏がゴールデンウイーク、自民党内に「外遊せずに選挙区を回れ」と指示を出した。田中派時代から長く二階氏と“同じ釜のメシ”を食った渡部恒三・元衆院副議長はそこに「角栄のDNA」を見る。
「二階もそうだろうが、角さんが地元を回れと言ったのは“票をもらいに行け”ということじゃない。地元の人が何に困っているか、もっと生活を良くするにはどうすればいいかを見て考えてこいということだ。昔は、地元に帰ると支持者が待ち構えていて『あそこに橋を架けてくれ』『あの山にはトンネル』とか言ってきた。戦後70年を振り返った時、新幹線や高速道路がなかったらいかに不便だったことか。角さんの日本列島改造論はそこから生まれた。