芸能

92才ばぁば「スマホで愚痴るならおだしの一つでもお取り」

「ばぁばが本業」と語る日本料理研究家の鈴木登紀子さん(92才)

 NHK Eテレの料理番組『きょうの料理』に40年以上出演している“ばぁば”こと日本料理研究家の鈴木登紀子さん(92才)。2017年5月には『ばぁば 92年目の隠し味 幸せを呼ぶ人生レシピ』(小学館)を出版するなど、精力的に活動している。

 そんなばぁばが毎月10日間にわたって主宰する「鈴木登紀子料理教室」には、ベテランの主婦から20代の新婚女性、女性の会社社長など、幅広い年齢層、さまざまな背景の女性が集う。

 料理教室といっても、生徒さんは包丁を持たない。旬の食材を使った献立を料理するばぁばの手元を目の前で眺め、出来上がった料理をいただく…というスタイルだ。あらかじめ、作り方を書いた自筆のレシピが配られる。

「夫が楽しみに待っているので…」とお弁当箱持参で半分持ち帰る人もいれば、その夜に献立を作ってみるという人、あるいは「月に1度の癒しの時間なんです」と、ばぁばの手料理を堪能するためだけに来る人もいる。

「極論を言ってしまうと、おいしいものを食べるのが大好きなら、それでいいと思うの。食がわかる、作法がわかる、お料理についての引き出しがたくさんできる。おのずと体によいものを見分ける知恵がつきますでしょう? お料理は生まれ持ったセンスも大切なの。だから、食べるのは好きだけど作るのはイヤっていう人もいるし、作るのは好きだけど上手ではない人もいるのね。でも、『作ってみよう!』という心意気が大事。作っているうちに上手になりますから。ばぁばみたいにね(笑い)」(鈴木さん、以下「」内同)

◆台所で愚痴らない。イライラしない 主婦の聖地は笑顔で守るのですよ

 いつ会いに行っても、疲れた顔のばぁばを見たことがない。ばぁばが「面倒くさい」と言うのを聞いたことがない。

「はーい、いらっしゃい!」と笑顔で記者を出迎え、「お疲れさまでした。ちゃんと食べて、無理しないのよ」と笑顔で送り出してくれる。

「46才の時に『きょうの料理』(NHK Eテレ)でデビューするまで、私は生粋の専業主婦でした。今も、私の居場所はあくまで台所。妻であり母であり、ばぁばが本業なの。

 主婦はね、家族のまとめ役なのです。燦々と光さす家庭の太陽なの。そして台所は主婦の聖地であり、家族の命を紡ぐ料理が生まれる、いちばん大切な場所なのです。家事や育児が疲れるとか、主婦の仕事をお金に換算する下品な傾向もあるようですが、とんでもないこと。主婦は、家族が健康で外で元気に活躍する原動力なのだから、ご自身の功績にもっと誇りと自信をお持ちになるべきだと思います。スマホでお友達に愚痴ってるヒマがあったら、おだしのひとつもお取りなさいな」

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン