ライフ

男性用トイレ擬音装置「音将軍」の発想と実行力に学ぶ

頼もしきほら貝の音色(写真:アフロ)

 男性のトイレ内での音を消す装置が開発された。その名も「音将軍」。メーカーではなく、ツイッターユーザーによる試作品だ。その発想と実行力に、大人力コラムニストの石原壮一郎氏は敬意を表する

 * * *
 出物腫れ物所嫌わずと言いますが、出るときの音も自分の意思ではなかなかコントロールできません。大きいほうをもよおして会社や駅のトイレに駆け込み、やれやれと安心してお腹に力を入れた瞬間、思いがけず豪快な音が発生して居たたまれない気持ちに……。誰しも、身に覚えがあるのではないでしょうか。

 女性が小の音を消すために使う「音姫」の存在は、よく知られています。水を何度も流す行為を防ぐ目的で作られ、1988年にTOTOから発売されました。商品名ですが、今では「トイレ用擬音装置」の代名詞になっています。数日前、そんな「音姫」を大胆に発展させたバージョンができたという楽しげなニュースが、ネット上を駆け巡りました。

 その名は「音将軍」。どこかのメーカーから発売されたわけではなく、ひとりのツイッターユーザーが、別のユーザーの「男性とはいえトイレ(大)の音を聞かれたくないけれど(中略)ここはいっちょ『音将軍』なるものを開発して、ボタンを押したら「(法螺貝)ブオオォォーーーッ!!!(軍の歓声)ワアアアァァァーーッ!!!」というSEを流すっていうのどう?」という提案に応えて、試作版を製作しました。

 アップされた動画を見ると、トイレに設置された白くて四角くてタバコの箱ぐらいの大きさの装置で、ボタンを押すと「ブオオォォーーッ」という法螺貝の音と喧騒の音が流れます。そのバカバカしさがウケて、ネット上は大盛り上がり。「音将軍ワロタ」「ぜひ商品化して各サービスエリアのトイレ等に設置してほしいですね」といった称賛の声が大量に寄せられています。

 実際に使ったら、わざわざ盛大に「これから門を開くぞー!」とアピールしているも同然なので、けっして恥ずかしさが軽減されるわけではありません。しかし、実用性はさておき、ユニークな発想や本当に作ってしまった実行力には、心から拍手を送りたいもの。大人としてはこの「音将軍」で、大きな勉強(略して「大勉」)をさせてもらいましょう。

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン