3年近い裁判は、裁判所の調停で幕を閉じる。イケアは今年4月、第三者には口外しないという条件を付けて和解金を支払った。裁判記録を閲覧すると和解金は600万円との記載があった。
PL(製造物責任)法に詳しい中村雅人弁護士は、「和解金が10万円程度であるのならただの見舞金とみなされるが、600万円となると製品の欠陥を認めたとみられる。こうした情報は、和解金額を含め極力公表するのが望ましい」と語る。
イケア側からは、「裁判については、和解したという事実以外お話しができない」という返事があった。
消費者が製造者を、PL法の裁判で訴えた場合、欧米に比べ明らかに製造業者に甘い判決が出る傾向にある日本において、イケアのとった態度は、日本の消費者を軽視しているといわれても仕方がない。
●取材・文/横田増生(ジャーナリスト)
※週刊ポスト2017年6月2日号