病院と一口にいってもその内実は様々だ。同じような規模・設備でも、働く人たちの待遇が驚くほど違うということはよくある。神経をすり減らす医療行為だけに医師には大きな負担がかかる。劣悪な職場環境であれば当然ミスも増える。医師にオーバーワークを強いる「ブラック病院」ほど、医療ミスが発生するリスクも高い。「ブラック病院」をどうやって見分けるべきか。
■デスクが散らかり、請求書や紹介状などが山積み
開業医の北野國空氏は、診察室に入ったら医師の机の上を見てみることをすすめている。
「請求書や紹介状など、カルテと関係ない書類が山積みになっているドクターは危険です。医師の仕事は診察や手術だけでなく、日々送られてくる請求書や申請書を処理する“事務仕事”が山ほどある。人手の多い病院なら部下の医師や研修医がそれを引き受けてくれます。
机の上が乱雑に散らかっている場合、医師自身が多くの事務作業を抱え、身の回りを整理する暇もないくらいの状況にいると推測できる。こうした医師は注意力が散漫で作業全体が雑になる傾向があり、カルテの名前を間違えて投薬ミスをしてしまったり、治療法を間違えてしまうなど、決定的な医療ミスを犯す可能性がある」