ライフ

がんの薬物療法に関しては若い医師のほうが知識豊富な傾向

医師の中でも得手不得手は存在する

 医療業界では「ベテラン医師が得意な病気・ジャンル」と「若手医師に向いている病気・ジャンル」を分類できることが明らかになってきた。

 自覚症状がないまま進行し、肝硬変や肝がんを発症するC型肝炎。治療法は「インターフェロン」という抗がん剤の注射が一般的だったが、2014年に飲み薬の新薬「ハーボニー」が発売されると、治療状況が激変した。開業医の北野國空氏(外科)が指摘する。

「いまやC型肝炎は『飲み薬で治る時代』になりました。こうした画期的な新薬を投与するには分子生物学的な知識が必要ですが、カリキュラム上、現在55歳以下の医師は学生時代にそうした知識を教わっていない。しかも、適切な投薬量など内容がめまぐるしく変化する分野なので、若くて勉強熱心な医師でないとついていくのは難しいかもしれない」

 がんの分野で脚光を浴びる新薬についても若い医師のほうが詳しい。米国の医療事情に詳しい医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が解説する。

「最近は免疫に働きかける新しいタイプのがん治療薬『オプジーボ』などが注目されますが、現在60歳を超える医師は学生時代に免疫関連の研究が進んでおらず、学ぼうと思っても薬が効く原理について学べなかった人もいる。抗がん剤も昔は外科医が手術の片手間に処方していましたが、いまや『腫瘍内科医』と呼ばれる専門の医師が必要とされるほど専門性が高くなった。がんの薬物治療を望むなら、若い医師のほうが知識豊富といえる」

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン