◆地元業者とのトラブル
そうした地元の疑心暗鬼のなか、地元業者とのトラブルも生じている。SJ社と同発電所用地の土地造成工事請負契約を結んだにもかかわらず、正当な理由なく契約を一方的に反故にされたとして、地元工務店N社が提訴の準備を進めているのだ。N社の経営者の話。
「2015年9月に東京・丸の内の上海電力日本の本社でSJ社の社長と契約を締結。発電施設用地の造成工事を1億1500万円で受注し、諸々の手配を進めていたところ、事前に何の連絡もなく、別の業者が工事を請け負うことになっていたのです。SJ社側に説明を求めましたが、誠意ある回答は得られませんでした」
同工事受注で見込んでいた利益も吹き飛び、資金繰りなど想定外の対応に追われることになったN社。債務不履行に基づく約2800万円の損害賠償請求をSJ社に対して近日中に起こすという(上海電力日本およびSJ社に事実確認の質問状を送ったが、「期日までに回答を差し上げることが出来かねる」との回答だった)。
上海電力日本は既に大阪南港と兵庫県三田市でメガソーラー施設を建設・稼働させている。それに伴い取得した土地は大阪約5ヘクタール(敷地面積)、兵庫約11ヘクタール(同)である。
同社はさらに栃木県那須烏山と福島県西郷村でもメガソーラー施設の建設計画を進行中だ。西郷村では約60ヘクタールの土地を「上海電力日本」の名義で取得済みだが、地元住民は不安を覚えているという。