国際情報

中国女子留学生 卒業スピーチで自由礼賛し批判受ける

留学生の卒業スピーチで一騒動

 中国人の女子留学生が米メリーランド大学の卒業式のスピーチで、中国の大気汚染のひどさを指摘し、それに比べて「アメリカの空気はすがすがしい」としたうえで、「自由は空気であり、情熱、愛情でもある」などと主張し、中国の報道の自由のなさや民主化の抑圧などを批判した。そのことについて、中国の官製メディアから批判のバッシングを受けていたことが分かった。

 官製メディアが留学生の個人的な発言を批判することは異例で、この留学生は身の危険を感じたのか、自身の発言を謝罪。しかし、これについて、ネット上では「なぜ、自己批判するのか? 真実を語っただけ。留学生を批判する中国メディアの方が悪い」などの書き込みが相次ぐなど、図らずも留学生の発言を擁護する声が大きなる結果となった。

 この女子留学生は中国雲南省昆明市生まれの楊舒平さん。楊さんは心理学や劇場芸術を専攻して、この両方の学位を取得。卒業式での彼女のスピーチをかいつまんで紹介すると、次のようなものだ。

「私はいろいろな人からよく『どうしてメリーランド大学に来たのか』と聞かれるのだが、その時、私はいつも『空気がきれいだから』と答えるの。

 私は中国で育ったが、外に出るたびにマスクをしなければならなかった。そうしないと、病気になりそうだったから。でも、アメリカに着いて、空港を出て外で息をしたら、私はとても自由だって感じたの。それは、大学でも同じだった。

 自由は空気。自由は情熱。自由は愛情だ。フランスの哲学者、サルトルは言った。『自由は選択だ』と。われわれの未来は今日と明日の我々の選択にかかっている。我々はみんな、我々の人生の次の章を書く劇作家だ。一緒に人類の歴史を書いていきましょう。友よ、新鮮な空気を楽しみ、それを絶対に放してはいけない」

関連キーワード

関連記事

トピックス

水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
3大会連続の五輪出場
【闘病を乗り越えてパリ五輪出場決定】池江璃花子、強くなるために決断した“母の支え”との別れ
女性セブン
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン