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2017.06.10 11:30  マネーポストWEB

人気急上昇の武蔵小杉 便利度文句なしだが問題点も山積み

タワーマンションが乱立する武蔵小杉


 街を行く人に尋ねてみれば、きっと誰しも住んでみたい街があるはず。けれども理想と現実には、得てして大きな差があるものだ。憧れのあの街は果たして本当に素敵な街なのか? まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は? 今回は、SUUMOが行った「住みたい街ランキング 2017」で6位にランクインした「武蔵小杉駅」(神奈川県川崎市中原区)について、ライターの金子則男氏が解説する。

 * * *
 近年、人気が急上昇した街の最右翼が武蔵小杉駅です。2013年までは「住みたい街ランキング」のベスト10圏外だった武蔵小杉ですが、2014年に9位にランクインすると、2015年に5位、2016年に4位と一気にランクは急上昇。「この2~3年で人気が高まったと思う街ランキング」では見事1位に輝いており、いま首都圏で最も注目を集めているのがこの街です。

 そんな武蔵小杉の最大の魅力は何と言っても鉄道網の充実度です。つい最近まで東急東横線、JR南武線の2線が通るのみだった武蔵小杉ですが、2010年に横須賀線の新駅が設置されると、湘南新宿ラインも停車するようになり、一気に利便性が向上。東京、品川、渋谷、新宿、池袋、川崎、横浜など、あらゆるターミナル駅に乗換なしで行けるようになりました。

 駅前には「これでもか」と言わんばかりにタワーマンションが立ち並び、駅周辺には「武蔵小杉東急スクエア」「ららテラス」「グランツリー武蔵小杉」など、商業施設も多数存在。買い物や飲食はもちろん、図書館や区役所などの公共施設も駅前にあり、すべての用事が駅前で事足りてしまいます。近隣にはサッカー・J1の川崎フロンターレの本拠地(等々力陸上競技場)があり、週末にはサッカー観戦を楽しむこともできます。

◆JR駅の乗降客数は20年で2倍に

 タワマンの乱立による急激な人口増加は、街ににぎわいをもたらしましたが、その弊害も少なくありません。その筆頭が駅の混雑です。武蔵小杉駅のJRの乗降客数は、ここ20年で約2倍に増え、2010年から2015年の間だけでも2万5000人も増加しましたが、街の成長に駅の設備が追いついていません。それゆえラッシュ時の構内の混雑は酷く、「改札に行列ができる」という珍風景も見ることができます。都心部までは20分程度かかりますが、その混雑ぶりも全国最高レベルです。

 また、タワマン購入層といえばファミリー層が主でしょうが、保育施設が足りているとはいえません。川崎市は今年4月、市の待機児童が0人だったと発表しましたが、認可保育所を希望しながら入所できず、認可外保育施設を利用するいわゆる「潜在的待機児童」の数は、中原区だけで880人もいました。さらに地元の小学校の中には、タワマンが建つことで生徒が突然急増し、対応に苦慮しているところもあります。

 これらを総合すると、メリットとデメリットがはっきりしているのが武蔵小杉の現状でしょう。ラッシュ時に駅を利用しなくて良く、子供もいないのなら、今からでも武蔵小杉は“買い”ですし、隣駅の元住吉や武蔵中原に範囲を広げれば、家賃を抑えることも可能です。

 なお、都内在住者の間でしばしば論争になるのが「ムサコはどこか?」というものです。都内近郊には武蔵小杉、武蔵小山、武蔵小金井と“ムサコ候補”の駅が3つあり、いずれも地元では「ムサコ」と呼ばれていますので、軽々しく「武蔵小杉=ムサコ」と言うと、武蔵小山や武蔵小金井の人から反論をくらってしまうかも。くれぐれもご注意を。

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