男性がなかなか列車を降りようとしなかったのは、そうした事情もあったからだ。四面楚歌の男性だったが、連行された小松川署にはその時の目撃者が同行。複数の目撃証言により、痴漢行為はなかったとして男性は逮捕されず、晴れて釈放された。女性も最後は大人しく帰っていったという。

 逮捕という最悪の結果は免れたものの、濡れ衣を着せられかけたうえに、乗客の怒号を浴びる様子を動画でネットに拡散されてしまったこの男性には、同情を禁じ得ない。

 とりわけ今回のケースでは、相手が中国人女性だったということが事態を複雑にしてしまったのかもしれない。中国出身のジャーナリストの周来友氏はこう話す。

「訪日中国人が急増する中で、最近は中国人女性の間で、“日本の満員電車は痴漢に遭いやすい”という噂が広まっています。中国人女性は気が強いから、自分が被害者だと思ったら、被害を訴えるのに大騒ぎして周囲を味方にして、相手(加害者)を追い詰めます。中国では、電車で痴漢を働いた男性が、他の乗客などに暴力を振るわれている動画などもたくさんあるくらいです。だからもし、中国人女性に痴漢に間違えられたら、違うということを大声で主張しないと、迫力負けして泣き寝入りすることになってしまいます」

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