「バッタの骨格をかたちづくるクチクラという物質は、人が生み出せないほどの高品質素材で、その骨格があるから速く動けて、体の何十倍もの高さまで跳ねられるし、飛ぶこともできる。
生物の授業では、名前と事実の羅列を覚えるだけ。そんなもの面白いわけがない。こんな環境に適応するために、こういう体になった……といったことを一つ一つ説明していけば、『生物』はもっと面白くなる。それを多くの人にも伝えたくて本を書きました」
本川氏がそう考えるようになったきっかけは、米国の物理学者・ファインマンのまとめた物理学の教科書が非常にわかりやすく感動したからだという。本が売れて先輩教授に妬まれても、これからも教育界には居座り続けるつもりだと笑う。
※週刊ポスト2017年6月23日号