他の有名大学、例えば東大にはそうした人脈を活用する風土がないのだという。東大OBの経済評論家の山崎元氏はこう言うのだ。
「霞が関には東大閥が一応ありますが、東大卒は連携してウィン・ウィンの関係を築くことよりも、自らより格下のグループを見下すことに熱心(苦笑)。それ以下の人を見下すだけで連携はしない。早稲田には『稲門会』がありますが、群れることをよしとしない価値観があり、やはりOB同士が助け合う三田会のようなムードにはなりません」
昨今トップが交代した三菱東京UFJにしろフジテレビにしろ、あるいは三越伊勢丹にしろ、企業がアクシデントやピンチに陥った時に慶應卒の人材が頼られるのは決して偶然ではないのである。
※週刊ポスト2017年6月23日号