低糖質ブームを加速させたローソンも手をこまねいているわけではない。これまでチルド(冷蔵)デザートや調理パンの栄養成分表示に「炭水化物」と表示してきたものを、その構成要素である「糖質」と「食物繊維」にわけて表示するよう、変更していく。「糖質」というキーワードで、より消費者にわかりやすく訴えかけていくということのよう。
メーカーからの「低糖質」提案も増えている。今月、明治が低糖質シリーズの新ブランド「明治ロカボーノ」を立ち上げた。カフェラテ、フルーツラテなどの乳飲料を、デザートではカスタードプリンを発売するという。いずれも糖質は10g未満(ラテは9.9g、プリンは4.8g)と糖質制限食を採用しているユーザーの「糖質はひとケタ」というニーズに合わせた形となっている。
一風変わった取り組みで注目を集めるメーカーもある。UHA味覚糖はクラウドファンディングサイト「Makuake」で、一般からの投資とPRを兼ねた企画を立ち上げた。その内容は「固形分の90%以上がプロテインでできた、ノンオイルドレッシング」。6月15日現在、目標設定額はすでに達成済みだが、残り期日は100日以上残っている。75万円という目標設定が控えめだったのか、今後何らかの追加プランが投下されるのかはともかく、これから3か月以上に渡り、どのように展開するかは気になるところだ。
牛丼チェーンでも、松屋やすき家がライスの代わりに豆腐を選ぶことができるメニューを導入。バーガーチェーンも、フレッシュネスバーガーが低糖質バンズを導入し、モスバーガーもバンズの代わりに野菜でパティをはさむ「菜摘」シリーズを通年に格上げした。
糖質制限食はそのすそ野を確実に広げている。夏に向けてのダイエットとして取り込むか、その分を好みのスイーツやどんぶり飯に振り分けるか。それは自らをどう律するかという生き方にも通じる二択である。