「考案者」となるのは漢学や東洋史、国文学などの研究者で文化勲章受章者や日本学士院会員クラスの専門家とされる。「平成」制定時は3人が考案者を引き受けた(*)。
【*古典中国文学者で九州大学名誉教授の目加田誠氏、日本文学者で紫綬褒章、文化勲章を受章した市古貞次氏、そして「平成」の名付け親である東洋史学者で東京大学名誉教授の山本達郎氏】
●参考文献は「中国の古典」
元号は、中国の古い書物を参考に考えるケースが多い。過去は、中国の古典の『書経』や『漢書』などから2文字を選んだ元号がほとんどだ。
東京大学名誉教授で東洋史が専門の山本達郎氏が考案した「平成」は、前漢の時代に司馬遷によって編纂された『史記』と、中国最古の歴史書『書経』が出典で「国の内外にも天地にも平和が達成される」という意味が込められている。
「『平成』をはじめ、先生方に心血を注いで考案してもらった候補案は郵便書留で送ってもらった」(的場氏)
現在、「すでに最高峰の専門家たちが新元号の案を提出し終わっている段階」(鈴木氏)と見られている。