山口は開幕を三軍で迎え、6月中旬にようやく初先発。その間にチームは球団史上ワーストの13連敗、登板前日には堤辰佳GMの更迭が発表されていた。3年総額7億円(推定)でDeNAからFA移籍する交渉にあたったのが堤氏で、山口は前述のお立ち台で「活躍することで堤前GMに恩返しをしたい」とも語ったが、冷静に考えれば“遅すぎだよ!”とツッコミが入るところだろう。
一振りで試合を決めた亀井にしても、この試合は8回と10回に前の打順を打つマギー(34)が敬遠されてのチャンスでキャッチャーフライと三振。12回もマギーが3打席連続で敬遠され、とても素直に喜べる状態ではなかった。
苦境を乗り越えお立ち台に上った、そのカタルシスはよくわかる。だが、大の大人がまぶたを腫らして感激すべき場面だろうか。折しもチームは「史上最弱」と呼ばれる体たらくである。
こうした「涙」に怒りを隠さないのが、常勝時代を知る巨人OBだ。V9時代のエースで、“鬼投手コーチ”としてチームを支えたこともある中村稔氏は、石川をこう評す。