「従来型の疫学調査の手法に加えて、活動量計を携帯してもらったところがこの研究のオリジナルです。入浴時以外は24時間365日、活動量計を腰に装着してもらい、長い人では17年間つけっぱなしです。米国で発表すると、必ずといっていいほど“お前たちは宗教団体か”といわれます(苦笑)」(青柳氏)
参加者は月に1度、指定の拠点に活動量計のデータを提出し、前月と比較しながら生活習慣についてのアドバイスを受ける。
17年にわたる調査中に亡くなる住民もいるが、毎年、新たに65歳になった住民が加わって研究の規模を維持する。
中之条町保健環境課(保健センター)の唐澤伸子課長はこういう。
「最初は少しずつ住民の皆さんに協力をお願いするところから始めました。近年は、青柳先生の研究が進んで成果も形として見えてきたので、町としても調査結果を住民の皆さんの健康づくりに利用させてもらう取り組みを充実させようとしています」
1つの町の住民全員を対象に365日、ほぼ全活動を長期にわたって追跡する研究は世界でも他に例がなく、海外で「奇跡の研究」と讃えられているという。