ビジネス

高級ノートの販売好調 紙離れでも書き味やデザインに拘り

表紙デザインもお洒落な新日本カレンダー『2mm grid notes』

 PCやスマホ、タブレットの普及によりペーパーレス化があらゆる場面で広がっている。簡単な備忘録から、学校の授業、ビジネス会議、商談まで、いまは手書きメモに頼らなくても情報端末に記録・保存できるソフトが進化している。大学の講義で板書をスマホ写真で撮り、すぐさまPDF化する学生が続出しているのも時代の流れといえるだろう。

 そんな“紙離れ”の影響をもろに受けているのがノート業界だ。昔ながらの学習帳や大学ノート、レポート用紙などを製造販売する某老舗ノートメーカーの担当者は、

「ノートの出荷量は平成に入ってから徐々に落ち始め、いまや全盛期の3分の1以下になってしまいました。普通に文房具店などの小売店に置いても売れないので、学校名や社名を冠したオリジナルノートや記念品などオーダーメイドに特化しています」

 と嘆く。だが、その一方でちょっとしたアイデアやデザインを施したり、紙の質を高めたりして注目を浴びるノートもある。7月7日まで東京ビッグサイトで開かれていた「国際 文具・紙製品展ISOT」で出展メーカーに最新ノートへのこだわりを聞いてみた。

「他社の方眼ノートといえば5mmや7mmが主流ですが、当社は目が小さい2mmにしているのが特徴です。5mmや7mmだとマス目を気にして自由に文字が書きづらかったり、文字の大きさや行間が変えにくかったりと不便さがありました。その点、2mmだと文字だけでなくイラストも書きやすく、それでいて曲がらずに行を埋めることもできます」

 こう話すのは、新日本カレンダーのマーケティング部担当者。大阪に本拠を置く同社は、社名の通り「日めくりカレンダー」をつくっている会社だが、そこに使われる超薄くて軽い「純白紙」を利用して365日書き込めるノートやメモ帳なども作成している。

 通常の2mm方眼ノート(A5/税抜450円)も紙の質にこだわっている。インクの吸収性に優れた「OKフールス紙」を採用。「根強い万年筆ブームもあって、値段に関係なく書き味を重視してノートを選ぶ消費者が増えてきた」(前出・担当者)という。

 徹底的に「書き心地」を追求したと自信を見せるのは、デザインフィル ミドリカンパニーがつくる「MDノート」だ。

「当社のMD用紙は1960年代にミドリオリジナルのダイアリー用紙として開発されて以降、品質改良を重ねてきた最高の筆記用紙です。インクにじみや裏抜けがしにくい紙であるのはもちろん、サラッとではなく“書く音”が聞こえるぐらいしっかりと書く感触が味わえるのが最大の特徴です」(同社の担当者)

 このMDノートはA5版で800円、文庫サイズでも600円もする高級品。「10年前に初めて売り出した時には、卸業者から『文庫サイズなら350円程度じゃないと売れない』と言われましたが、品質の良さを気に入っていただける人も増え、販売は好調です」(担当者)

トピックス

伊藤沙莉は商店街でも顔を知られた人物だったという(写真/AFP=時事)
【芸歴20年で掴んだ朝ドラ主演】伊藤沙莉、不遇のバイト時代に都内商店街で見せていた“苦悩の表情”と、そこで覚えた“大人の味”
週刊ポスト
総理といえど有力な対立候補が立てば大きく票を減らしそうな状況(時事通信フォト)
【闇パーティー疑惑に説明ゼロ】岸田文雄・首相、選挙地盤は強固でも“有力対立候補が立てば大きく票を減らしそう”な状況
週刊ポスト
新アルバム発売の倖田來未 “進化した歌声”と“脱がないセクシー”で魅せる新しい自分
新アルバム発売の倖田來未 “進化した歌声”と“脱がないセクシー”で魅せる新しい自分
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン