ビジネス

ボルボのオール電動化 実は低コスト車を駆使する手堅い戦略

ポールスターによって高性能化されたボルボ「V40」

 エンジンから電動へというクルマの動力革命が静かに進む中、スウェーデンの自動車メーカー、ボルボカーズは7月5日、ガソリンやディーゼルのエンジンだけを搭載した純エンジン車から電動車両への全面移行を行うというプランを発表した。最初に純エンジン車を廃したモデルが登場するのは今から2年後の2019年。2025年にはすべてのモデルを電動車両に切り替えるという。

 クルマの電動化は環境問題への対応を図るうえでも世界的な課題といえるが、果たしてこのままエンジン車は消える運命にあるのか。自動車ジャーナリストの井元康一郎氏がレポートする。

 * * *
 電動車両といえば、バッテリーに蓄えた電力のみで走る純電気自動車(以下、BEV)やハイブリッドカーのバッテリーを充電可能な大型タイプにして数十kmを電気モーターのみで走行できるプラグインハイブリッドカー(以下、PHEV)など、いわゆる「プラグインカー」が思い浮かぶ。

 だが、ボルボはすべてをこのタイプにするわけではない。BEV、PHEV以外のモデルは電動化技術によって普通のクルマの燃費を向上させたハイブリッドカー(以下、HEV)にするのだという。

 トヨタ自動車が今から20年前の1997年に世界初の量産HEV「プリウス」を発表して以来、HEVはトヨタを頂点とする日本の自動車メーカーのお家芸であり続けた。が、そのトヨタも世界販売をみれば、非HEVのほうがいまだ圧倒多数だ。他のメーカーはHEV比率がもっと低いか、そもそもラインナップしていないかという状況である。

 そのなかで、世界生産が100万台にも満たないボルボが「全車種HEV化」を世界で初めて打ち出したことは、拠点である欧州や世界のCO2排出量規制スキーム「パリ宣言」からの離脱が物議をかもしているアメリカでも、相応のインパクトのあるドキュメントとして受け取られているようで、気の早いメディアは「bye bye gas pedal」などとクルマの電動化が一気に進むような報道をしている。

 実際のところはどうなのだろうか。

関連キーワード

トピックス

大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
「What's up? Coachella!」約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了(写真/GettyImages)
Number_iが世界最大級の野外フェス「コーチェラ」で海外初公演を実現 約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン