芸能

視聴率急上昇ひよっこ 「家族」、「ビートルズ」描く脚本の妙

『ひよっこ』でみね子役を演じる有村架純

 NHKの連続テレビ小説『ひよっこ』の視聴率が伸びている。第13週(6月26日~7月1日)の週間平均視聴率で初めて20%超えを記録。第14週(7月3日~8日)でも20%を超え、2週連続の大台超えとなった。『ひよっこ』を「朝ドラの名作」と断言するコラムニストのペリー荻野さんがその背景について分析する。
 
 * * *
 後半に入った『ひよっこ』が回を重ねるごとに力強くなっている。視聴率も上々。個人的にはオリジナルキャラクターによる朝ドラの名作だと思っている。
 
 現時点でその力強さのポイントは2つある。ポイントその1は、ドラマにしっかりした「ファミリー感」が出ていること。1960年代。ヒロインのみね子(有村架純)は、茨城から上京し、当初は工場に勤めたが、倒産後は父が通っていた赤坂の洋食店「すずふり亭」で働いている。工場の乙女寮を出て、初めてのひとり暮らしは、店のすぐ近くの「あかね荘」。仕事にも少しずつ慣れ、近所の人達にも支えられて、笑顔の多い日々だ。

 ここまでで、みね子は「茨城の実家」「乙女寮の仲間」「すずふり亭の人々」「あかね荘の住人」「ご近所の人々」と5つのファミリーに所属している。実家には祖父(古谷一行)、乙女寮には寮母(和久井映見)、「すずふり亭」には店主(宮本信子)、「あかね荘」には大家(白石加代子)、ご近所には和菓子屋の大将(三宅裕司)と、しっかりした「長」がいて、ファミリーの構図がわかりやすいのも特長だ。工場では仕事ができず落ち込み、失業して途方に暮れても、誰かが手を差し伸べてくれた。ひよっこのヒロインがしっかりしたファミリーに支えられる安心感は、このドラマの大きな魅力だ。

 ポイントその2は、脚本家が得意技を活かしていること。先日は、「ビートルズ来日」による日本中の熱狂と、みね子の変わり者の叔父宗男(峯田和伸)の過去が語られた。マッシュルームカットで自宅にビートルズの「秘密基地」を作るほどの宗男は、いてもたったもいられず、イギリス国旗をひらひらとさせたバイクで突然、みね子の前に現れる。

関連記事

トピックス

精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《ショーンKの現在を直撃》フード付きパーカー姿で向かった雑居ビルには「日焼けサロン」「占い」…本人は「私は愛する人間たちと幸せに生きているだけなんです」
NEWSポストセブン
気になる「継投策」(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督に浮上した“継投ベタ”問題 「守護神出身ゆえの焦り」「“炎の10連投”の成功体験」の弊害を指摘するOBも
週刊ポスト
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
九谷焼の窯元「錦山窯」を訪ねられた佳子さま(2025年4月、石川県・小松市。撮影/JMPA)
佳子さまが被災地訪問で見せられた“紀子さま風スーツ”の着こなし 「襟なし×スカート」の淡色セットアップ 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン