ただし、キーボードの配列を見ればわかるが(あるいはスマートフォンから打ったとしても)、coverageをcovfefeと打ち間違えたとしたら、よっぽど手が震えているか、幻覚を見ているとしか思えない。そもそも、トランプのこのツイートには前後の文もなく、何の脈絡もなかった。「精神状態は大丈夫か?」という懸念が出るのも、当然だろう。
繰り返す。日本の安全保障は、こんな男に依存しているのだ。何と言っても世界の安定にとって最も懸念すべきは、アメリカの大統領とその側近らがFBIにマークされているということである。
◆事実誤認と嘘と誇張
トランプが解任した前FBI長官のジェイムズ・コミーは、6月の公聴会証言で「トランプが、ロシア疑惑捜査をやめるよう要請した」と語った。今後は、元FBI長官で“ロシアゲート疑惑”を調べる特別検察官に任命されたロバート・モラー率いる捜査チームが「トランプ政権の闇」に迫ることになる。
本誌前号でも指摘した通り、“ロシアゲート疑惑”は驚くほど拡大している。特にFBIが注目しているのが、トランプの娘婿で上級顧問のジャレッド・クシュナーだ。すでにアメリカの複数のメディアは、「クシュナー氏が捜査対象になっている」と名指しで報じている。
クシュナーは、昨年12月にロシア駐米大使とニューヨークで会談。この時は、ロシアゲート疑惑の中心人物と目されている前大統領補佐官のマイケル・フリンも同席していた。さらに、トランプ政権発足前に、ロシア政府系の対外経済銀行頭取とも会っていたことが明らかになっている。