国内

総理のお友達が書いた「加計言い逃れカンペ」の出来の悪さ

閉会中審査では自己正当化に終始するのみ(写真:共同通信社)

 これでは、国民の疑惑を晴らすことができるはずがない。安倍晋三首相は7月24~25日に行なわれた加計学園問題の閉会中審査に万全の体制を敷いて臨んだはずだったが、政府側の答弁は「加計ありきではない」という自己正当化に終始するのみだった。

 致命的だったのは2年前に提案された加計学園の獣医学部の申請を「今年1月20日まで知らなかった」という安倍首相の説明だ。官僚出身の自民党中堅議員が語る。

「仮に、加計氏本人の口から聞いていないとしても、国家戦略特区を認可するのは総理の権限なのだから、事務方から耳打ちされていたはず。そうでなければ役人の職務怠慢になる。あの答弁ひとつで疑惑を払拭するどころか、逆に不信感を強める結果になった」

 なぜ、「真摯に説明」するはずだった国会答弁が逆効果になったのか。安倍首相は閉会中審査の前日、「私邸に秘書官らを集めて答弁の予行演習をした」(政治部記者)とされる。

 本誌・週刊ポストは私邸での想定問答に使われたと見られる資料の1つ、「根本メモ」を入手した。「NAIS」(※注)と呼ばれた首相の若手議員時代からの盟友の1人、根本匠・元復興相が作成した文書で「2017年7月20日」の日付がある。

【※注/1999年に4人の自民党議員で結成された政策研究会。会名は所属議員それぞれの頭文字「N(根本氏)、A(安倍首相)、I(石原伸晃・経済再生相)、S(塩崎恭久・厚労相)」を取ったもの】

関連キーワード

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン