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2017.08.04 06:30  マネーポストWEB

2017年上半期のIPO市場、初値が公開価格の4倍超となる銘柄も

2017年上半期のIPO市場は高いパフォーマンスが続いた


 2017年上半期、日経平均株価は2万円を挟んだレンジでの推移が続いているが、IPO(新規上場)市場はどんな相場だったのか。投資情報サイト「IPOジャパン」編集長・西堀敬氏が、IPO件数、公開価格と上場初値の相関など、様々なデータをもとに分析する。

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 2017年上半期(1~6月)のIPO件数は39件となった。アベノミクス相場が本格化した2013年以降の年間IPO件数は2013年が54件、2014年が77件、2015年が92件、2016年が83件。上半期で40件と、2015年、2016年と同様の順調な推移から考えて、2017年の年間IPO件数は85~90件程度が見込まれそうだ。

 では、2017年上半期にIPOした銘柄のパフォーマンスはどうだったのか。全39銘柄で、上場後についた初値が公開価格を上回れば「勝ち」、下回れば「負け」、同値なら「分け」という基準による勝率を見ると、35勝4敗0分けで90%。これは、2016年(全83件)の勝率80.72%を大きく上回っている。

 さらに、初値が公開価格に対して何%上昇したかという「初値騰落率」で見ても、39銘柄の平均初値騰落率はプラス115%と、2016年のプラス72%をはるかに凌駕する高パフォーマンスとなった。中でも、初値騰落率が高かったトップ3を挙げると、1位がビーブレイクシステムズ(3986)のプラス361%、2位がユーザーローカル(3984)のプラス325%、3位がシャノン(3976)のプラス320%(市場はいずれも東証マザーズ)。この3銘柄は、公開価格に対して初値が4倍以上に跳ね上がった。

 このように2017年上半期のIPO銘柄が高いパフォーマンスとなったのは、米国におけるトランプ相場の先行き懸念、フランス大統領選挙、北朝鮮の核・ミサイル問題とリスク要因が多かった環境下で、大型株が軟調に推移した3月に21社のIPOがあり、公開価格が低く抑えられていたことも一因と考えられる。いずれにしてもIPO人気は依然として衰えず、個人投資家のリスクマネーは引き続き健在であることが確認できるので、今後もIPO市場は活況を呈していくと予想される。

 ただし、2017年上半期のIPO市場別の平均初値騰落率を見ると、マザーズが156%、ジャスダックが90%、東証2部が36%、東証1部が1%と、市場によってパフォーマンスの差がはっきり見られる。東証1部に直接IPOする銘柄は市場からの調達額が大きい大型上場となるので、どうしても公開価格に対する初値の騰落率は低くなりがちなことは例年の傾向である。

 なかでも、投資ファンドによる買収・再建を経て、その投資回収の出口戦略として東証1部に再上場するケースは要注意だ。実際、2017年上半期にこれに該当する再上場が2銘柄あったが、3月22日に再上場したマクロミル(調達額532億円)の初値騰落率はマイナス4.26%、3月30日に再上場したスシローグローバルホールディングスの初値騰落率もマイナス4.72%と、いずれも初値が公開価格を下回った。

■西堀敬:投資情報サイト「東京IPO」編集長などを経て、現在は「IPOジャパン」編集長(https://ipojp.com/)。IR説明会、セミナーなども多数行なう。著書に『最新版 IPO投資の基本と儲け方ズバリ!』など。

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