性別を超えて、ああいう人間になりたいという憧れ、いわば人生の目標にまで昇華されていく。好きという感情を通り超えてしまうんです。もはや仮想の国というか、私たちファンは『東方神起国』の国民であって、チケット代なんて税金みたいなもの。当然の義務として払っています」(北原さん)

 近年、BIGBANGのT.O.P(29才)が大麻吸引で逮捕、SHINeeのオンユ(27才)がセクハラで逮捕など、韓流スターの事件が相次ぐ中、東方神起だけはこの手のトラブルとは無縁である。

◆東方神起はもはやJ-POPのひとつ

 2012年8月、李明博元大統領の竹島上陸を機に日本で過熱の一途を辿った嫌韓ブームの最中でさえ、東方神起とファンの絆は変わらなかった。

「知人の中には、会社のデスクに東方神起の写真を貼っていたら、上司に“剥がせ”って言われた人もいました。その上司が露骨な嫌韓で。ひどい話だけど、逆にファンは結束を深めていましたね。肩身が狭くなるほど親密になるというか。それに、東方神起の人気はもうそんなことで揺らぐようなレベルじゃなかった」(北原さん)

 事実、東方神起がこの数年の嫌韓ブームを変えたという見方さえある。8月21日の復帰会見の模様はヤフーのトップページに掲載されたが、「珍しい現象が起きていた」と言うのは、あるIT系ジャーナリスト。

「瞬く間に1000件を超えるコメントがついたのですが、“おかえりなさい”とか“ずっと待っていました”とか、ほとんどが好意的なものでした。極めて異例のことで、いまだ嫌韓が根強いネットの世界では、韓流アイドルの記事がヤフーに上がるだけで、口に出すのもおぞましい人種差別コメントで埋め尽くされるのが日常なのです。

 その中で、“一括りに韓国をバッシングするのは間違い”とか“この2人は別格”といったコメントも相当数あった。東方神起によって日本人の韓国への考え方が変わってきていることを実感します」

 韓国好きで知られ、江原道(カンウオンド)の広報委員を務めるタレントの大桃美代子(52才)も、東方神起の影響力をこう話す。

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