国内

子供の“いじめ被害”を見抜くサインと話を聞き出す会話術

こどものいじめ被害を察知するポイントは

 ネットを駆使して巧妙化する昨今の子供による“いじめ”。被害を防ぐには、「早期発見、早期対策」が肝心だが、無理やり子供から聞き出すのは禁物だ。まずは、自分の子供がいじめられているかもしれないというサインをしっかり感じ取らなければいけない。

 いじめられていれば必ず子供の態度に変化が出てくる。その一例が下の項目だ。3つ以上当てはまる場合は、いじめを疑った方がいいという。

◆こんな言動があったらいじめられているかも…

□ スマホを見ている時の表情が暗い
□ スマホを避けるようになるか、逆に頻繁に気にするようになる
□ スマホやパソコンの検索窓に、自分の名前や「妊娠」「性病」「生理不順」といった検索履歴がある
□ 家族に見られないようにLINEやツイッターをするようになった
□ 教科書などの持ち物が汚れたり紛失したりするようなった
□ 成績が急激に落ちた
□ 子供部屋、あるいは風呂やトイレなどの個室にこもる時間が長くなった
□ 1人でボーッとすることが多くなった
□ 不自然な箇所にけがをしてくるようになった
□ 小遣い以上のお金を欲しがる
□ 「学校に行きたくない」「部活を休みたい」と言い出した

 いじめ問題に詳しいレイ法律事務所の高橋知典さんはこう話す。

「特に、それまで楽しそうにスマホゲームばかりしていた子が、それを手放し、暗い顔でチラチラ見るようになるなど、スマホを触る頻度とその時の表情に変化が出てきたら要注意。また、成績が急落するのもいじめ被害者の共通項です」

 性的暴力や画像流出の被害者の場合、女の子ならパソコンで、「妊娠」「性病」などを検索、男の子なら、自分の名前を検索していることが多いため、検索履歴をチェックするのも手だと阿部さんは言う。

 また、けがをしてきた場合、「転んだ」と嘘をつくケースが多いが、いじめが原因ならあざが不自然な箇所にある。自己判断が難しいなら、柔道など、あざを作りやすいスポーツ経験者に聞くとよい。

◆本人から話を聞き出す

 そして、思春期の子供に「いじめられているでしょ?」とズバリ聞いても「うるせえ」などと一蹴されるケースがほとんどだ。

「聞き出す時は、いつになく真剣な顔で聞くこと。子供は大人の本気には敏感です。それでもダメなら、“周りでいじめられている子はいない? もしいたらこう教えてあげて”など、他人を介した言い方をすると効果的です」(高橋さん)

 子供のスマホを無断で見て発覚した場合、スマホを見たとは言わないこと。信頼関係が崩れ、余計こじれるという。

「子供の気持ちを置き去りにして親が暴走すると、子供は相談しなくなります」(高橋さん)

 子供が初めて打ち明ける時は過小報告をすることが多い。子供のペースに合わせて、焦らず聞き出すのがポイントだ。

◆上手に聞き出すための賢い会話例

【OK】
「友達とかでLINEやツイッターを使っていじめられている子はいない? あなたは大丈夫だと思うけど、もしそんな子がいたら、スクリーンショットやテキスト保存で証拠は残しておいた方がいいよって教えてあげな」

【NG】
「あなた、いじめられているんじゃない?」
いじめの証拠を突きつけ「これ何?」
「あなたが心配だから言ってるんでしょ」

※女性セブン2017年9月21日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン