ライフ

保険適用外の高額手術 最先端でも効果が出ない治療法も

「高いから効果がある」とは限らない

「負担が少ない」「傷が残らない」「回復が早い」──従来の手術法とは違う最先端手術の魅力はこのように紹介され、日進月歩を遂げる医療技術を待つ患者もメディアも、新たな治療法に期待を寄せる。

 だが、最新の治療法は概して費用が高く、保険適用でないものもある。しかも、治療効果がすべて従来の医療を上回っているとは限らず、むしろ疑問符が付くものも少なくない。

 大動脈にできた瘤が破裂して大出血へとつながる大動脈瘤を、「胸を開かずに治療できる」として注目されている「ステントグラフト内挿術」に対し、今年7月、厚労省所管の医薬品医療機器総合機構(PMDA)が、患者の健康に被害を与える「有害事象」報告をしたのだ。

 内容はステント使用による感染症での死亡例(敗血症)、ステントの長さが足りないことによる大動脈瘤破裂の死亡例などに言及するもので、重篤な事象発生を防ぐために「適正使用」をアナウンスするものだ。医療経済ジャーナリストの室井一辰氏はこう指摘する。

「開胸外科手術で人工血管に置き換える従来の大動脈瘤治療に代わり、近年ではステントグラフト内挿術が広まりつつあります。

 これは、金網(ステント)を縫い合わせた人工血管(グラフト)を太ももの付け根から血管内に挿入し、患部に移動させて広げて、血管を補強する治療法です。身体への負担が小さいとして注目されていましたが、死亡例などが出てきたことで意外なリスクの高さが判明しました」

 命に関わる事態ではないが、ステントが患部からずれて、再手術になることもよくあるという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン