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西郷隆盛がいま我々に語りかける「最後の武士」の名言

近現代PL/AFLO

 いまなお多くの日本人を魅了してやまない西郷隆盛が、西南戦争を起こしてから140年になる。西郷は後世、書簡や漢詩は残っているものの一冊の著書も遺していなかった。しかし西郷の言葉を伝える「遺訓」の中の言葉は、現代に生きるわれわれに日本人の精神を示してくれている。その名言を紹介しよう。

●名言その1
「自分を足れりとせざるより、下々の言も聴き入るるもの也」

(現代語訳)
“私は、まだまだ働きが足りない”と考えていればこそ、国民からの訴えも、素直に聞き入れられる。

【解説】
「忠告を聞くこと」の大切さが語られています。このあと、“うぬぼれている人に向かって立派な人が忠告すると、すぐに怒り出すので、その人の周りからは、立派な人が離れていき、やがて忠告してくれる人は誰もいなくなってしまう”と続きます。  

●名言その2
「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕抹に困るもの也。此の仕抹に困る人ならでは、艱難を共にして 国家の大業は 成し得られぬなり」

(現代語訳)
 自分の命、名誉、役職や肩書、お金もいらない、そういう人はまわりの人から見れば、さぞや扱いにくいことでしょう。けれども、そういう人とでなければ、苦難をともにして国家の命運にかかわるような大きな仕事を成しとげることはできません。

【解説】
『南洲翁遺訓』のなかでは、もっとも広く知られている言葉です。やはり昔の「武士」は、現代人の想像を超えています。大切なことは、これは“命を粗末にせよ”という意味ではないということです。自分の生命以上の“尊いもの”を守るためなら「命もいらず」という覚悟ができる、そういう境地を語ったものでしょう。

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