芸能

倉本聰さん 40代に北島三郎の付き人経験、大きな影響受けた

1週間だけ北島三郎の付き人をした経験があるという倉本氏

 往年の大スターが勢ぞろいで、毎日の楽しみが増えた――今年4月からスタートした『やすらぎの郷』(毎週月~金曜昼12時半~、テレビ朝日系)が、いよいよクライマックスを迎える。大人のための帯ドラマとして新設された“シルバータイム”は、シニア世代を中心に支持され、新たなお昼の楽しみとして定着した。立案者であり、『やすらぎの郷』の脚本家・倉本聰さんは、居を構える北海道・富良野でドラマにかける思いを語った。

 * * *
 今でこそ老若男女、誰もが楽しめる作品を心がけていますが、若い頃はプロデューサーや役者、評論家たちに対して書くとか、自分の中のどこかにエリート意識が潜んでいたんですよ。それを自覚したのは人生の後半になってから。大きなきっかけは北島三郎さん(80才)でした。

 40代の頃にね、実は北島三郎さんの付き人をさせてもらったことがあるんです。サブちゃんの人気が北海道であまりにもすごくて、なんでこんなに人気があるのか知りたくてね。志願して1週間だけ、冬のコンサートツアーに同行させてもらった。コンサートではサブちゃんのヒットパレード以外にリクエストコーナーがあって、「自分は昔、渋谷で流しをやっていたから3000曲くらい頭に入っている。だからみんな、なんでもリクエストしてくれよ」って、サブちゃんがステージから声をかける。すると客席からワッと手が挙がってリクエストがくる。

 そこでお客さんとやりとりをするのですが、寅さんの啖呵売(たんかばい)と言えばいいのかな、実に歯切れがいい。どうしてサブちゃんはこういう会話ができるんだろうと。

 結局のところ、学識とか、年齢とか、身分とか、そういうものをすべてなくしたゼロの状態の“人間”というところでお客さんと会話をしているんです。純粋に人として向き合って。衝撃でしたね。ものすごく勉強になりました。

 その直後に富良野へ移り、テレビ業界と関係ない友人とつきあうようになって、「隣の農家のイトウさんは、畑から疲れ果てて帰ってきて、風呂へ入ってビールを飲みながら、夜10時におれの番組を見てくれるだろうか?」と考えたんです。でも過去の作品を1本1本挙げても、どれもハマらない。自分はどこか上から目線で書いていたんじゃないかって気づいたんです。その反省で書いたのが、『北の国から』でした。

 社会が変わっても、人間の本質は変わらないとぼくは思います。生まれてから6~8才の子供は明治時代も今も変わっていない気がする。学校教育や親の教育が子供を変えているだけでね。だからこそ、“海抜ゼロ”の意識で誰にでも楽しめる作品というのを大事にしているんです。

撮影/矢口和也

※女性セブン2017年9月28日号

関連記事

トピックス

大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン