でも、将来、忖度するAIが開発されて、権力に媚びへつらったりするようになっても困る。AIは、空気を読めないくらいがちょうどいい。
NHKスペシャル「AIに聞いてみた どうすんのよ!? ニッポン」では、AIが700万件のデータを解析した結果、「40代一人暮らしを減らせば、日本がよくなる」と提言した。
40代の一人暮らしの人は249万人。多そうに見えるが全人口の1.9%しか占めていない。この人たちが増えると、日本全体の自殺者数や餓死者数、空き家数が増え、緊急車の出動件数が増え、合計特殊出生率が減るという。なぜそうなるのかという因果関係までは、AIは示してくれない。
40代といえば、バブル経済崩壊後の就職氷河期を経験した世代。フリーターや派遣などの非正規雇用の人も多い。もちろん、40代一人暮らしにもいろんな人がいて一括りにはできないが、独身のまま40代になって、親の介護も気になりながら、経済的余裕がないなかで、実家を出て一人暮らしをしている人も多いと想像する。
では、40代一人暮らしを減らすにはどうしたらいいか。「家賃を下げたらいい」というのがAIのご託宣だ。現実の政策がなかなか効力を発揮しないなかで、ぼくは、このAIの提案もアリだと思っている。
経済はなかなか上向かない。少なくともその実感がない。目標物価上昇率2%は4年も達成できず、目標設定の延期が繰り返されている。黒田日銀総裁の間は、もう目標達成はできないだろう。実質賃金が上がらないため、本当の消費行動が起きてこないのだ。
その一方で、秘密保護法や安保法制、共謀罪などが次々と強行採決されて決まっていく。森友学園や加計学園の問題で表面化した「えこひいき」も行なわれている。