航空産業でも、三菱航空機の「MRJ」が度重なるトラブルで納期を延長している間に、中国産の「C919」が試験飛行を開始。すでに570機の受注を決めてMRJ(447機)を抜き去った。
スーパーコンピューターの性能を競うランキング(2017年)では、中国製が1位と2位に輝く一方、日本製は7位と8位。民主党政権時代、事業仕分けで蓮舫氏が「2位じゃダメなんですか」と言い放ってから8年で、差はここまで開いてしまった。
科学技術を発展させるための研究開発分野でも中国がリードを広げつつある。文科省所管の科学技術振興機構の調査では、「コンピューター科学・数学」「化学」「材料科学」「工学」の4分野における論文で中国が世界一で、日本はいずれもトップ3に入らない。論文の“質”を示す被引用件数でも中国は世界2位で(1位は米国)、日本は10位だ。
英国の教育専門誌が選ぶ世界大学ランキングの2016~2017年度版でも、中国の清華大学は24位で東アジアのトップだったが、東大は34位だった。「技術大国」の名誉は中国に奪われつつある。
※週刊ポスト2017年10月6日号