政治評論家の有馬晴海さんもこう語る。
「いきなり安倍さんが“高等教育無償化”などと言い出しましたが、元はといえば、他党が過去にも掲げた政策です。“バラマキだ”とさんざん批判してきたのに、いざ自分が総理になると、女性票が欲しいから急に主張が変わる。
きちんとした争点のない選挙なので、なおさら政治家の場当たり的な発言に流されず、その政策によって自分の生活にどんな変化が起きるのか、しっかり考えて投票することが求められています」
自民党の横暴を正すのは野党の役割だが、肝心の民進党は山尾志桜里氏(43才)が年下弁護士とのダブル不倫疑惑で離党し、前原誠司代表(55才)も北朝鮮美女によるハニートラップ疑惑が報じられるなど、内部はガタガタ。
そこで女性票の受け皿となりそうなのが、9月25日に小池百合子都知事(65才)が立ち上げ、自ら代表についた新党「希望の党」だろう。元民進党代表代行の細野豪志氏(46才)と、元自民党で現在「日本ファーストの会」の代表を務める若狭勝氏(60才)がすでに合流しており、来る総選挙に向け、全国で150人規模の候補者を擁立する方向で調整に入っている。
若狭議員はこの新党の立ち上げに際し、「キーワードは女性だ」と明言。
「最終的に国会議員の半数を女性にする。そのためにも新党の候補者は男女同数にしようと思っている」
と、女性目線の発言を連発している。それゆえ期待がかかるところだが、前出の野上さんは、「新党の勢いはまだ読めない」と慎重だ。
「新党には軍資金がないし、すぐに150人もの候補者を集めるのは容易ではありません。自民惨敗、小池新党大躍進の『都議選の再来』になるかどうかは、まだ不透明だと思います」
前出の有馬さんもこう語る。
「小池新党は一時的なブームで終わるかもしれません。5年後も残っているかどうか、ちゃんと考える必要がある。急ごしらえの候補者は勉強不足だったりするので、当選後にボロが出る人も多い。過度な期待をするのは避けた方がいいでしょう」
まさに「感性」ではなく「理性」で選ぶ選挙になりそうだ。
※女性セブン2017年10月12日号