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2017.10.30 17:00  マネーポストWEB

84才で自宅建て替えを決意 老後計画を180度転換した理由は?

評論家・樋口恵子さんの「終の住みか」の選択は?


 終の住みかを決めるときに、「誰と住むか」は、「どこに住むか」より、もしかすると大事な問題かもしれない。すでに“住み方”を決めた先人の思いと覚悟とは──。「高齢社会をよくする女性の会」代表で、『その介護離職、おまちなさい』(潮新書)などの著書がある評論家の樋口恵子さん(85才)は去年、自宅を建て替えたばかりだと言う。

「もとの家は、亡き夫と40代の時に建てた木造の戸建て。数年ほど前から隙間風に悩まされるようになり、専門家に見てもらったら、“次に大地震が来たら全壊する”と…。それで、建て替えを決意したんです」

 樋口さんはご主人を亡くされてから、娘さんと2人暮らしを続けていた。しかし老後は娘から離れてホームなどに入るつもりで、建て替えなど思ってもみなかったと言う。

「娘はひとり身ですから、介護となると相当の負担になります。仕事を辞めさせるなんて、私の主義に反します。そうなると、自分の終の住みかは、有料老人ホームだと思ったんです」

 有料老人ホームに入るための資金を用意し、人生最後のぜいたくをしようと、楽しみにしていた。

「私は食いしん坊ですから食事のおいしいところを探していました。一時帰宅しやすいよう自宅からタクシーで片道1000円くらいの距離に目星をつけてね。必要が生じたらすぐ入れるよう、入居費用は普通預金に貯め、すぐに下ろせるようにしていたほど。定期預金は下ろすのが大変ですからね」

 そこまで準備していたが、84才にして突然の方向転換。そこにはやはり、娘さんの存在があったと言う。

「娘は、私の箸の上げ下ろしにまで苦情をいうタイプだから、毎日けんかは絶えません。でも、私の生き方について批判したことは一度もない。そのことには本当に感謝しているんです。ですから最後に家くらいは遺してやりたかったんです。私が老人ホームに入って、家を処分したら、娘の住む場所がなくなってしまうから。それに、親子で住んでいる方が、相続税が軽減するんです」

 親1人子1人で暮らす場合は、自分がどう暮らすかだけでなく、相続対策も考えるべき課題かもしれない。今後は、ギリギリまでこの家に暮らし、介護が必要になったらもっと格安な施設に移るという。

「介護施設に入れるだけの最低限の資金は残しています。あとは私自身が、介護をしてくれる人に、気持ちよくお世話をしてもらえるような人間にならないといけませんよね(笑い)」

 最後に、樋口さんが考える終の住みかへの備えを教えてもらった。
 
●動ける今のうちに、階段に手すりをつけ、生活スペースを1階に集約。自宅のバリアフリー化を進める。
●葬儀など死後の始末をしてくれるNPO法人に、生前契約をすることも視野に入れておく。
●どこで死んでも後悔がないように、今を生ききる。

※女性セブン2017年11月9日号

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