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2017.10.31 06:00  介護 ポストセブン

突然死の危険も!『血糖値スパイク』と『血圧サージ』を解説

健康診断では「異常なし」でも「血圧サージ」「血糖値スパイク」が危ない(写真/アフロ)


 健康を心がけていても、寄る年波には勝てないのが悲しいところ。だからこそ健康診断や人間ドックで定期的に健康チェックをすることが奨励されている。しかし、だ。その健康診断でも見つからない“リスク”があるとしたら。しかもそれが死をもたらす恐ろしいものだとしたら──。

◆『NHKスペシャル』で特集され大きな話題に

 自覚症状もないままに進行し、放置すると突然死の危険すらある「隠れ高血圧」「隠れ高血糖」のリスクを抱えている人が、なんと、それぞれ1000万人以上いることを知っているだろうか。

 昨年秋に放送された『NHKスペシャル』(NHK)で特集された“血糖値スパイク”は、普段は正常で健康診断でも異常は見られないが、食後だけ血糖値が急上昇する、いわゆる「隠れ高血糖」症状で、該当者はなんと1400万人と推定されることが大きな話題となった。

 そして10月29日に同番組で放送予定の“血圧サージ”特集がすでに反響を呼んでいる。これは、普段は正常な血圧が一時的に急上昇する症状のことで、血糖値スパイク同様、健康診断などでは発見されない。

◆「隠れ高血圧」には”職場高血圧”と”夜間高血圧”がある

 両者に共通するのは、健康診断では発見しにくく自覚症状もほとんどないにもかかわらず、脳梗塞や心筋梗塞、脳卒中などのリスクは“普通の高血圧・高血糖の人”に比べて高いという。東京都健康長寿医療センター顧問で、高血圧・循環器専門医の桑島巌さんが言う。

「普段は正常値の血圧の人でも何かの拍子に突発的に急上昇し、非常に高い数値になってしまう血圧急上昇状態を血圧サージといい、血管を傷めてしまいます。最近は家庭でも血圧を測る人が増え、家庭と病院で値が違うことがわかってきました。家や職場では高血圧なのに病院で測ると低くなるため、高血圧が見逃されることがあります」

 こうした血圧サージを含めた「隠れ高血圧」には、“職場高血圧”と“夜間高血圧”の2種類がある。仕事のストレスにさらされている間だけ血圧が上昇する職場高血圧は意外と多いが、主婦でもストレスや緊張によって職場高血圧は起こりうる、と桑島さんは指摘する。

「家事や育児、家庭の人間関係などのストレスで、高血圧になることがあります。特に働きながら育児や家事をする女性は、帰宅後もストレスがかかると高血圧の時間が長くなってしまう。高血圧の時間が長いほど血管に対する負担がかかり、どんどん動脈硬化が進みます。そしてある日突然、脳卒中や心筋梗塞を引き起こすのです」

 一方、就寝中の血圧が上昇する夜間高血圧は、糖尿病や肥満による自律神経の障害がある人に多いという。

「就寝時には下がるはずの血圧が、眠っている間もずっと高い状態が続きます。そして迎えた朝に、血圧が急上昇して、心筋梗塞や脳卒中になりやすいのです」(桑島さん)

◆「血糖値スパイク」は突然死の他にがんや認知症のリスクも

 また、血糖値スパイクは、食後1~2時間に血糖値が跳ね上がり、また元の状態に戻ることを指す。これが起きると、糖尿病に移行する可能性の高い糖尿病予備軍か、早期の糖尿病、いわゆる隠れ糖尿病が疑われる。すみれ病院の院長で糖尿病専門医の小西俊彰さんが解説する。

「血糖値スパイクの特徴は食後に血糖値が急上昇し、また元に戻ることです。多くの場合、健康診断や血液検査は空腹の状態で行います。空腹時の血糖値が高いと糖尿病が疑われますが、血糖値スパイクは空腹時の血糖値が正常のため、見逃されてしまいます。隠れ糖尿病といわれる所以です」

 食後に急上昇するといっても、高血糖に特有の倦怠感や多飲頻尿、食べてもやせるといった自覚症状はほとんどない。しかし、そのまま放置されることで病のリスクはどんどん高まっていく。

「進行し、糖尿病の合併症が出たり、知らない間に動脈硬化が進んで心筋梗塞や脳卒中の引き金になったりする可能性があります。さらにがんや認知症のリスクにもなることがわかってきました」(小西さん)

◆更年期の女性や甘いもの好きの子供も要注意

 血圧サージ、血糖値スパイクに罹りやすい人の特徴について、まずは下記の【「血糖値スパイク」リスク チェックリスト】で確認してみよう。該当する項目が少なくても油断は禁物。加齢とともにリスクは高くなるという。

「女性では更年期を迎えるとエストロゲンという女性ホルモンが減少し、内臓脂肪が増えやすく、インスリンの効き目も悪くなるので、血糖値が上昇しやすくなります。最近の研究では、若くてやせ気味の人、筋肉が少ない女性、さらにはジュースや甘いものをたくさん摂とっている子供たちにも血糖値スパイクがあることがわかってきています」(小西さん)

 桑島さんは、「上の血圧が130mmHg以上なら、家庭でも血圧を測ってほしい」と言う。

「家庭用の血圧計を使って1日3回、〈朝食の直前〉〈仕事中や家事の合間〉〈夜の入浴前〉に血圧を測ります。1回につき2度測り、2度目の血圧を正式なものとして記録します。病院では上が130mmHg程度なのに140mmHg以上になることが数回続いたら、一度病院を受診するといいですね」

 ただし、測りすぎは禁物だ。

「心配になって何かがあるたびに頻繁に血圧を測ってしまう血圧不安症になる人もいます。1日2~3回程度、1回につき2度測ってください。普段の血圧が低めで、上が100mmHg程度なら測る必要はありません」(桑島さん)

 血糖値スパイクを見抜くには、食後に血液検査をすると良い。

「病院に行き、血糖値が最も高くなる食後1~2時間のタイミングで血液検査をしてもらうのが1つの方法です。血糖値が140mg/dLを超えるようなら血糖値スパイクの可能性があります」(小西さん)

 尿糖を調べる方法もある。

「血糖値が170~180mg/dLを超えると尿に糖が出るので、食後1~2時間後に尿検査をします。尿に浸して色で診断するタイプの検査紙は、薬局でも購入できます。ただし、血糖値が140mg/dL程度なら発見は難しいです」(小西さん)

 健康診断も受診しつつ日頃からのセルフチェックが大切なのだ。

◆「血糖値スパイク」と「隠れ高血圧」をチェック!

【「血糖値スパイク」リスク チェックリスト】 監修/小西俊彰先生
□40才以上 更年期以降の女性
□家族(兄弟姉妹・父母・祖父母など)に糖尿病の人がいる
□太っている、BMIが25以上
□お腹が出ている、いわゆるメタボ(腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上)
□血圧が高め(130/85mmHg以上、もしくは血圧の薬を服用中)
□たばこを吸う(1日10本以上)
□運動不足(週3日未満)
□大食い、早食い、炭水化物が好き、甘いものに目がない
□朝食を抜くことが多い、食事が不規則
□お酒をよく飲む
□ストレスを抱えている
□睡眠不足
※当てはまる項目が多いほど「隠れ糖尿病」のリスクが高くなる

【「隠れ高血圧」リスク チェックリスト】 監修/桑島巌先生
□BMIの値が25以上 ※BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
□喫煙している
□職場や近所づきあいでのプレッシャーやストレスを強く感じる
□職場を離れたり、ひとりになるとホッとする
□健康診断では血圧が正常でも、家庭や職場での
□血圧測定が135/85mmHg以上である
※当てはまる項目が多いと「隠れ高血圧」の可能性が高くなる

※女性セブン2017年11月9日号

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