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2017.11.02 15:00  マネーポストWEB

2018年1月「配偶者控除大改正」 あなたの家計は増税or減税?

改正で女性の働き方が変わるかも


 2018年1月、「配偶者控除」が大改正される。多くの働く世帯にとって、税負担が大きく変わることになりそうだ。実際には、負担が増える家計もあれば、減税となる家計もある。ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子氏がケース別に解説する。

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 女性の就労促進を促す効果を狙って、2018年1月から配偶者控除が大きく改正されます。これまでは、最大の控除を受けるには、扶養される妻の年収が「105万円未満」(年金収入なら160万円未満)だったのが、2018年からは「150万円以下」(年金収入なら205万円以下)まで可能になります(ここでは分かりやすくするため、夫を主な稼ぎ手とし、妻がパートなどをしていると仮定しますが、男女が逆のケースも同様です)。

 また、控除が段階的に適用される配偶者の適用要件も緩和され、これまで妻の年収「103万円超~141万円未満」(年金収入なら158万円超~196万円未満)だったのが、「103万円超~201万円以下」(年金収入なら158万円超~243万円以下)まで広がります。

 もう一つのポイントとして、配偶者控除が適用される夫に「年収制限が付くようになる」ことが挙げられます。夫の年収が「1120万円を超える」と妻の控除額が次第に減り、年収「1220万円を超える」とゼロになります。従来は配偶者特別控除にのみ年収制限が付いていましたが、今後はたとえ妻に収入がなくても、夫が高所得者である場合は配偶者控除が適用されなくなります。つまり2018年からは、夫の年収が1220万円超か、妻の年収が201万円超なら、控除は全く受けられなくなるのです。では、ケース別に負担の増減を見ていきましょう。

【ケース1】「夫婦ともに非正規社員の世帯」は年約5万円の負担減

 夫の年収300万円、妻の年収150万円の夫婦ともに非正規社員のA家の場合。今回の改正によって、夫は配偶者特別控除を受けることができるようになります。

 所得税では、配偶者特別控除38万円が適用され、その税率5%分、つまり1万9000円が減税になります。住民税では配偶者特別控除33万円が適用され、その税率10%分、つまり3万3000円が減税になります。所得税・住民税の合計で年5万2000円の減税を享受できます。

【ケース2】「夫が高収入の専業主婦世帯」は年約16万円の負担増

 夫は年収1250万円、妻は専業主婦で無収入というB家の場合。今回の改正で、夫は年収上限を超えて配偶者控除を適用されなくなるため、大幅な増税になります。

 所得税では、配偶者控除の38万円を受けられなくなり、その分が課税所得として加わることになります。高所得者のため、税率は33%。つまり12万5400円の増税です。さらに、住民税の配偶者控除33万円もなくなり、こちらには税率10%、つまり3万3000円の増税です。所得税・住民税の合計で年15万8400円の負担増です。

【ケース3】「夫婦ともに年金世帯」は年約5万円の負担減

 夫(67)の年金額が250万円、妻(67)の年金額が200万円というC家の場合。今回の改正に伴い、夫は配偶者特別控除を受けることができ、所得税・住民税で年5万2000円の減税となります。所得税の配偶者特別控除38万円(所得税率5%)と、住民税の配偶者特別控除33万円を適用されるためです。

 今回の改正で、夫の収入が少ない非正規社員世帯や年金世帯などは恩恵を受けますが、高収入世帯の負担はますます大きくなりそうです。2016年、2017年の給与所得控除の改正に加えて、2018年の配偶者控除の改正で税負担が大きくなるからです。仮に年収1000万円の世帯でも、子供がいる場合、特に教育費がかかる年頃になると家計の負担は大きくなります。社会保険の扶養の条件である、いわゆる「106万円の壁」や、夫の会社で家族手当(扶養手当)がつくかどうかの「壁」もありますので、妻も100万円程度の収入をつくる、あるいはそういった壁を越えて高収入が得られる仕事をするなどの工夫がますます必要になりそうです。

◆はなわ・ようこ/ファイナンシャル・プランナー、CFP認定者、1級FP技能士。青山学院大学国際政治経済学部卒業後、外資系投資銀行に入社。退職後、FPとして独立。『夫婦で貯める1億円!』『貯金ゼロからでも大丈夫!夫婦で一生に必要なお金がしっかり貯まる本』『貯金ゼロ 借金200万円!ダメダメOLが資産1500万円を作るまで』など著書多数。http://yokohanawa.com/index.html

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